魚に関することいろいろ

海潟漁港(鹿児島県垂水市)


鹿児島県の桜島の東側、大隅半島の入り口で錦江湾内に位置する垂水市。
この数年、緩やかに人口が減少して過疎化が懸念されていますが、幻の焼酎「森伊蔵」の蔵があり、焼酎好きには広く有名です。

垂水市は漁協と共同で地元産業の活発化に取り組んでいることがあります。
「海潟漁港」にてカンパチの養殖を行っています。
この海潟漁港は垂水市漁業協同組合の本所所在地で、垂水市の漁業活動中心地です。
刺し網、延縄漁業が盛んで、ブリの水揚げは全国で5番目の実績があります。
2001年に高倉健と田中裕子共演の映画「ホタル」の撮影地にもなりました。
二人が海に面したベンチに座り、静かにコーヒーを飲むシーンは非常に有名です。

この海潟漁港では魚の養殖を古くから行っています。
1910年(明治43年)にカツオ漁の餌で使用する、カタクチイワシの生け簀養殖が行われたのが始まりです。
垂水市に面する錦江湾は年間平均水温が22度と温暖であり、湾内の潮流が速く酸素を豊潤に含んだ海水が行き渡っています。
また沿岸の水深が深く、深い水深帯に生け簀を設置することができ、魚にとって生活しやすい養殖環境が提供できるのです。
この垂水市の好立地は魚の養殖のみならず、県の栽培漁業センターが設置され様々な魚種の種苗生産開発・試験が行われていました。

さて、垂水市と垂水市漁協が力を入れているカンパチ養殖は、「海の桜勘(おうかん)」というブランド名で全国展開をしています。
高品質のカンパチを提供するために、生産に関する研究と開発を常に続けています。
養殖漁場の水質を毎日測定して、水中の酸素濃度の把握や生け簀の密度、適正な給餌量など赤潮が発生しない綺麗な海の環境維持に努めています。

海上環境悪化の一因になりやすい給餌に関して、漁場の環境負荷をかけないために冷凍飼料(アジ・サバ・カタクチイワシなど)に配合飼料とビタミン類のサプリメントを添加してペレット状に固めています。
そして、餌に緑茶と焼酎粕を加えているのが、緑茶と焼酎生産地の鹿児島らしい取り組みですね。
緑茶成分には寄生虫防止、抗菌作用、焼酎粕には免疫強化の効果があると言われています。
また、生餌を作る際に出る魚粉はお茶畑の肥料として活用されています。
給餌量は魚の大きさのみならず、養殖場や周辺海域の環境状況や、一年を通じた水温の変化による摂餌量などデータベース化しており、環境に考慮したきめ細かい給餌を行っています。

飼育に関して、魚病を発生させないために生け簀の飼育密度を薄くしています。
万が一、疾病が発生しても飼育密度が薄いことで蔓延を防ぐことができます。
カンパチの皮膚に発生しやすい寄生虫や細菌を抑えるため、ワクチン投薬の実施、生け簀網を頻繁に交換、使用する器具の定期的な消毒など衛生管理に努めています。
また、魚病検査機関を独自に持っていて、寄生虫・ウイルス・細菌検査を行い、疾病の防護体制を県の栽培漁業機関と連携しています。

そして、消費者に対して食の安全を確立しており、トレーサビリティにより生産者情報や生産・給餌履歴をホームページ上で公開しています。
安全で美味しいカンパチが日本中に流通するために、常に海潟のカンパチ生産者たちは並々ならぬ努力を積み重ねているのです。

海潟漁港には漁師の奥さんたちが中心に経営をしている「桜勘食堂・とんとこ館」があります。
新鮮なカンパチ漬け丼など、多彩なカンパチ料理が楽しめますよ。

トップ画像出典元:http://ameblo.jp/kenshow0226/

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