ヤンマーが養殖カキの出荷に乗り出した


ヤンマーといえば農業機械のメーカーのイメージが強いですね。その農機メーカーが「海の畑も耕します」と養殖ガキの生産に乗り出しました。

農業機械の販売は、年々減る傾向にあります。国内の農機メーカーは沢山あり、このままでは農業機械メーカーとしての発展は考えられないようです。

そこでヤンマーは大分県漁協と協力して、自社ブランドの養殖カキの出荷を今月(2015年12月)から始めることになったのです。

ヤンマーは1980年代後半からカキの養殖技術を研究してきました。同社では国東市でボートの生産をしており、漁業を取り巻く環境が厳しくなる中で、カキを効率的に育てる技術を研究してきたのです。

独自の技術で生育期間を縮め、養殖場所である大分県国東市にちなんで「くにさきOYSTER」となづけ、魚介類の出荷に乗り出したのです。

ふるさと納税に人気がありますが、国東市ではふるさと納税の返礼品として「くにさきOYSTER」の出荷を始めました。

今後はスーパーや飲食店にも出荷され、店頭に「くにさきOYSTER」が並ぶ日も近いでしょう。将来的には香港など海外への輸出も視野に入れているようです。

ヤンマーの養殖技術は、稚貝の段階で食べるプランクトンを十分与えられるよう工夫が凝らされています。これまで1年半から2年かかった養殖期間を、1年ほどに短縮できます。

さらに卵から成貝までの一貫生産で、安定した出荷ができるようになりました。カキを効率的に育てる技術で、漁業者を支える事業を広げていきたいと考えています。

大分県北東部の国東半島にある国東市のホームペジを見てみました。ふるさと納税の返礼品の中に、日本の有名なカキ生産地のブランド牡蠣と並んで、「くにさきOYSTER」が堂々と並んでいました。

12月7日(月)の時事通信にも、「くにさきOYSTER」初出荷式とのタイトルで、記事が出ていました。国東市では官民共同でブランドの開発に取り組んでいた生食用カキ「くにさきOYSTER」の初出荷が行われたとのニュースです。

身は小ぶりだが肉厚でさっぱりした味が特徴であることや、生産では民間研究施設「ヤンマーマリンファーム」と地元の漁協が連携することなど。

その他漁業者20名が養殖に取り組んでおり、冬場の収入源になることへの期待も高まっていることなどが報道されていました。

ヤンマーは企業のノウハウを現場に持ち込むことで、農業や漁業を活気づけ、機器販売などとの相乗効果を期待しているようです。

(出典元 朝日新聞2015年12月8日)

 

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