北極海公海で操業禁止

12月3日、ロシア、米国、北極海沿岸国、欧州連合(EU)、日本、中国など10の国・機関は地球温暖化による氷の溶解で海表面の拡大が見込まれる北極海公海中央部での商業操業の禁止について、大筋で合意されました。
国際的な管理体制が整備されるまでの間の措置として当面16年を予定しており、関係者は今回の合意について「歴史的な出来事」と称賛しています。

この協議はアメリカワシントンで行われていたもので、米国、ロシア、ノルウェー、デンマーク、カナダの北極海沿岸国、そして漁業が盛んな日本、中国、韓国、アイスランド、欧州連合(EU)が参加したものです。
この会合に先立つ2015年7月、北極海沿岸の五か国は国際的な資源管理の枠組みが出来るまでの間は北極海公海での商業操業を控えることに合意しておりましたが、日本、中国、韓国も協議に加わりました。

現在、北極海の大部分では国際的に資源の管理・保護体制が確立しておらず、地球温暖化による氷の減少で更に商業的漁業が増えることが予想されており、無秩序な状態で世界各国の漁船が操業をしたとき北極海の資源生態の減少、滅失が起こりうるかもしれません。
米国のオバマ前政権では北極海での操業禁止を訴えていましたが、現在のところ同海域での商業操業は行われていないため、今回の合意は“予防的措置”の意義があります。
北極海の将来に渡って安定した資源の維持、確保のためにも“漁業禁止”という認識が一致されたのです。

2018年2月に米国で協定の文案を最終決定する会合が開かれ、参加国・機関の署名・批准がされた後に発行される予定で、各国は今後、同海域での生態調査を実施して、商業漁業が将来的に可能か判断するとしています。

北極海はタラやカレイなどの好漁場として有名ですが、中央部については現在に於いて商業漁業を行う国はありません。
生息している魚種や資源量が不明ですが、オランダの研究期間が調査したところ中央部の氷の下にはタラの生息が確認されています。

基本的に漁業資源の話になると国々の思惑がぶつかって紛糾するケースが多いですが、今回のように商業漁業が行われる前に全会一致で協議が進行しており、カナダのルブラン漁業海洋相は「この会合は歴史的な意味合いを持つ」と称賛しています。

画像出典元:http://cyclothone.blogspot.jp/2017/03/805.html

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