昔からひとたび地震が起こるとナマズの動向が気になるものですね。
古くから伝わる地震とナマズにまつわる話が広く世間に知れ渡っているのは、地下でナマズが暴れて地震が起きるという話があるからなのでしょうが、それよりも地震に先駆けてナマズが騒ぐという話は“科学的根拠”があることとして昔から人々の間に広まっていることがあるのではないでしょうか。
1855年(安政2年)に関東を襲った“安政の大地震”を服部保徳が綴った「安政見聞録」ではナマズが地震の直前に異常な動きがあったことが書かれています。
日中は池の底や川の淵に潜み、夜になると泳ぎ出すナマズが日中から人目に触れるほどの行動を起こすことは、とても異常なことではないでしょうか。
見た目が薄気味悪いナマズの風貌と、いつ起きるかわからない地震への恐怖感と相成って、このたぐいの話は真実味を帯びてくるのです。
またナマズのほかにも、深海魚が打ち上げられた、フナが水面上にしきりに跳びはねる、イワシなど浮き魚が漁港の水面いっぱいに押し寄せるなど、地震が起こる前の魚の奇妙な行動は多数報告されています。
魚が異常な行動に走るのは地震に先立って、川底や海底で起こる何らかの自然的変化をいち早く察知するからといわれていますが、果たしてその変化とは何なのか?
魚が察知する自然的変化のひとつとして“地電流説”があります。
水槽に飼育中のナマズが水槽の台を叩いたときに示す反応と、地震計の記録を突き合わせると地震の前には敏感になっていることが判るのです。
これは地震の前に変化する地電流の変化を感知して興奮するためといわれています。
一方、魚が地震の前兆となる地電流の変化を選択的に察知するのは困難ともいわれています。
何故なら地電流は地震がないときも絶えず変化しているためです。
しかしながら魚は電気との縁が深いということは事実で、なかには自分の体の中に発電機を備えているものが存在します。
有名なものでは海に生活する“シビレエイ”、アフリカの淡水に生活する“デンキナマズ”、南米の淡水に生活する“デンキウナギ”などがあります。
デンキウナギは体側筋の大部分が発電機の役割をしており、1600ボルトもの高圧電流を放電できるのです。
餌となる小魚、または敵が近くにいるときは、電撃を与えて倒すのです。
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