IoTを活用したスマート漁業の実験

本年8月8日、NTTdocomo(以下、ドコモ)と日本IBMでは第一次産業に向け、人工知能(AI)を利用したIoTソリューションの提供を9月中旬より提供することを発表しました。
ドコモが開発する「自然対話エンジン」、「画像認識エンジン」、日本IBMが提供する「IoT分析プラットホーム」を連携させて、カメラから得た画像情報や音声の情報を蓄積して分析するものです。

水耕栽培の実証実験では北海道七飯町で「アプレ」が運営する水耕栽培施設を利用します。
IoT技術を導入して、ハウス内の環境や栽培状況の監視・管理を実施する予定で、季節や天候に左右されやすいハウス内の温度・湿度を常時モニタリングを行います。
ハウス内から得た情報を元に、窓の開閉や冷暖房のオンオフなど自律的に調節を行う仕組みを実現していくという。

そして水産分野では、マグロの養殖事業を行っている双日ツナファーム鷹島が電通国際情報サービスと共同で経営効率改善を目的とした、IoT実証実験を実施します。
実証実験では飼育している海水の水温や水中酸素量などの内部データと、気象情報など外部要因データを組み合わせて分析し、状況に応じて最適な給餌タイミングや給餌量を提案するシステムを構築するとしています。
また画像解析技術を活用して飼育している個体数の自動カウントも実現予定です。
個体数の確認はこれまで生け簀を映した動画での目視カウントに依存していたため、自動カウントにより作業の負荷軽減と飼育数の正確性向上という課題が解決するとしています。

双日ツナファーム鷹島はマグロの稚魚を洋上の生簀の中で約3年をかけて育成しますが、飼育にあたり給餌量や方法、タイミング等は経験則に依るところが大きいものでした。
しかも養殖ノウハウを持っている熟練者の経験に頼るところが大きく、業務の最適化が課題となっていました。

これまでドコモでは水産事業者向けに対してセンサーを利用した分析システムを提供してきましたが、取得したデータを実際に養殖で活用するには、やはり養殖のノウハウを持つ熟練者によるデータ分析が必要でした。
今回の実証実験では人工知能によるデータ分析を追加することを盛り込んでおり、将来的には経験が浅い、若しくは未経験者でもAIから出た指示通りに沿って作業をすることができ、業務の最適化、効率化、そして雇用の増大に繋がることが期待されています。

画像出典元:http://www.nereusprogram.org/ja/should-you-eat-skipjack-or-albacore-stock-status-and-ecosystem-effects-of-tuna-fisheries/

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