魚に関することいろいろ

再びの…マダイあれこれ その1

初夏の気候になると、思い出します。
以前勤めていた種苗生産現場ではマダイの生産真っ最中だったことです。
当時は休む暇もないほど忙しく、種苗を飼育している水槽施設の外に広がる新緑と青空の美しさに遊びに行きたいと恨めしく思ったりもしましたが、今になるととてもいい思い出です。

マダイの生産は梅が咲き始める3月初旬から始まります。
私が在籍していた種苗生産機関は親魚を飼育しており、これらの魚から採れた卵を用いて種苗の生産を行っていました。
春になると猫が発情して夜中のあいだずっと鳴いていますが、マダイも同じくこの時期になると愛が芽生えます。
オスの魚の体は錆色になりメスを追い回していますが、これを追尾行動といい、当機関は採卵誘発剤投与など人工的な採卵手法を取らず、自然産卵で行っていました。
(写真01)

マダイの産卵は夜間に行われるので、この時期は親魚を飼育している水槽の排水溝に細かい目合いのナイロンネットを被せます。
翌朝、ナイロンネットに滞留している卵を回収して種苗生産に使うのですが、健康な種苗を育てるために幾つか手順を踏まなければならないことがあります。
(写真02)

回収した卵は、空気を送り込んで海水を撹拌させている100リットルのポリカーボネイト製水槽に収容します。
水が撹拌されているので卵は万遍なく散りますので、この状態で卵は何万粒あるのか計数を行います。

さて、どうやって卵を計数するかというと…2mlのピペットで直接吸い取り、計数皿の上に移します。
計数皿に幾つ卵があるのか分かれば、この水槽には何万粒の卵が収容されているのか分かります。
計数が終ると、水槽内のエアレーションを止めて安置をします。
暫くすると卵が海水の上部と水槽の底に分離しますが、死んでしまった卵は水槽下に沈殿するのです。
そのため死んだ卵をサイフォンで取り除いて、生きている卵だけを残します。

水槽内が生きた卵だけになったら、底が細かい目合いのナイロンネットで出来ている桶に移して、海水かけ流しで卵の洗浄を行います。
このときの洗浄に使う海水は紫外線を照射して殺菌したものです。
一昔前はヨウ素(ヨードチンキ)を投入して殺菌していましたが、2003年頃に魚介類の生産で使用できる薬品が制限された改訂薬事法により、ヨウ素の使用ができなくなりました。

洗浄した卵はようやく飼育水槽に収容されて、ふ化をするのを待ちます。
(写真03)

資料参考
写真01 https://blogs.yahoo.co.jp/uragouwann/3127438.html
写真02 https://www.pref.chiba.lg.jp/lab-suisan/suisan/soshiki/katsuura/madai/01.html
写真03 http://www.simasuisinkyo.or.jp/photo/syubyouseisan/1537

画像出典元:http://mitsu55.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-ba3c.html

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