さてさて前回、アンコウはとても“食いしん坊”というおはなしで終わりました。
私も非常に食いしん坊ですよ…この正月で5キロ近くも太ってしまいました。
折角、ダイエット順調にいっていたのになぁ…。
数十年前も昔のことですが、北大西洋に住む大きなアンコウ(恐らく体長1.5メートル級のアメリカンアングラーと思われる)は東海岸ニュージャージー州の沖合でとんでもないことをしていたのでした。
水面で巨大アンコウがバタバタ跳ね回っていたのですが、よくよく見ると大きなカモメを飲み込もうとしているのです。
しかし喰いついたカモメも大きなものだったようで、翼が全部口の中に入りきりません。
そのため水中に潜りたくても潜れず、慌てた巨大アンコウはバタバタ水面を跳ね回ることしかできなかったのでした。
日本でもこんな記録があります。
1950年代のことですが、墨田区の本所にあった魚屋「四つ万」が塩釜で獲れたアンコウの腹を切ったところ、胃の中から出てきたのは“鵜”と“カラス”の合いの子のような鳥だったのです。
当時上野動物園の園長だった古賀忠道氏はこの鳥を鑑定しましたが、これは“クチブドウミガラス”という北海に住む鳥だったのです。
日本に於いて、有名なアンコウは太平洋側では“福島県いわき産”、“茨城県大洗産”、“千葉県銚子産”、“山口県下関産”、“熊本県天草産”、日本海側では“山形県酒田産”、“新潟県糸魚川産”、“島根県浜田産”などがあります。
最も漁獲量が多いのは山口県下関で獲れたアンコウで、消費需要がとても多い関東に次々出荷されてゆきます。
アンコウは主に底引き網、刺し網、延縄などで漁獲されています。
基本的に沢山の数がまとまって安定して獲れる魚ではないため、なかなか流通には乗らず地元消費されてしまうことも多い魚です。
青森県の下北半島北部にある風間浦村では、2000年代に入るまでアンコウを商業的に活かせず、主に地元の個人消費をされる魚に過ぎませんでした。
しかし隣の大間町が「大間マグロ」とブランド化に成功して、全国的に有名となり非常に高い付加価値が生まれました。
それを見た風間浦村ではアンコウの重要性を再確認して、流通課題の解決を図り2010年代初頭に地元アンコウのブランド化を成功させたのです。
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