さてニホンウナギが2014年6月に国際自然保護連合(ICUN)より“絶滅する可能性が高い絶滅危惧種”、つまりレッドリストに登録をされたことは記憶に新しいことでしょう。
しかし日常ではウナギ屋をはじめ、飲食店や鮮魚屋、スーパーの鮮魚コーナーなど、街の至るところにウナギが流通している様相を見かけるので、そこまでウナギが逼迫していることにピンと来ないのは事実です。
ウナギの国内供給量について日本養鰻漁業協同組合によりますと、2000年(平成12年)の16万トン(国産は2万2千トン)をピークに2007年(平成19年)に10万トン強(国産2万1千トン)、2014年(平成26年)には3.8万トン(国産1万8千トン)と急激に減少しています。
この急激なニホンウナギ供給量減少について、資源がいなくなったということ以外に様々な要因が絡んでいるのです。
日本での養殖ウナギ供給に於いて、輸入種苗に頼る割合が大きいことが挙げられます。
供給ピークだった2000年(平成12年)では総供給量16万トンに対して国内供給が2万5千トン、台湾産が3万トン、そして残り6万トン強が中国からの輸入という割合になっており、国内供給は10%ちょっとということになります。
2007年(平成19年)になると台湾が自国資源保護のため、シラスウナギの輸出が禁止されたのです。
その代わりに香港からの輸入種苗が一気に増えましたが、実はこの香港からのシラスウナギ、台湾から香港に迂回して日本に入ってきたもので、公にはなっておりませんが業界内では暗黙の了解になっているのです。
それを裏付けるかのように、台湾では不思議な出来事が起きています。
3.2万トンの水揚げがあったシラスウナギのうち、国内利用されているのは何と0.8万トンのみだったのです。
台湾はシラスウナギ輸出が禁じられていますので、国内消費であったはずのシラスウナギ2.4万トンが行方不明ということになります。
話が段々キナ臭くなってきましたが、日本人のウナギブローカーが存在していて彼らが密輸の手引をしているのです。
ブローカーが台湾の仲買人と直接交渉して買い付けたものを船で移動させるのですが、台湾本土の西、台湾海峡内にある金門島という離島を経由します。
金門灯は中国本土に限りなく近い台湾領土の離島でそこへ一旦運んで、観光客を装って中国本土行きのフェリーに乗り換えるのです。
画像出典元:https://pogogi.com/fresh-water-eel-unagi-nutrition-and-calorie-count