私達は毎日のようにいろんな魚介類を食べています。しかしその魚が何歳だろうと考えたことはほとんどないでしょう。大きさで判断するだけで、年齢は気にしないのが普通でしょう。
生物には年齢があります。その成長度合いが速いか遅いかの違いはありますが、年齢は必ずあるのです。海の魚にも年齢があるはずです。
気になったので調べてみました。
魚の頭には耳石という骨が左右にあります。耳石は体の平衡感覚を司り、バランスを保つ働きがあります。
魚の耳石は成長とともに毎日少しずつ大きくなります。そして耳石の外側にとても細い線で輪が作られます。この線が日輪といって毎日1本ずつ増えるのです。
成長が順調な時は年輪が広く、成長がよくない時は年輪が狭くなり、まさに木の年輪と同じような年輪が見えるのです。
調べていくと小学生の学童の自由研究のテーマとしても取り上げられていました。
耳石は炭酸カルシウムの結晶です。これを調べると生れてどれくらい年月を経過したかが分かるのです。
あなたもさかなの耳石を調べてみませんか?
耳石の取り出しやすい魚もあるので、食事のときなどに調べてみましょう。
耳石を取り出しやすい魚は、鯛類、カサゴ類、トビウオ、イシモチ、ヒラメ、鱚などが取り出しやすいです。
中でもイシモチはこの耳石から名がついたことは有名な話です。
煮魚を食べるときなどが耳石を取り出しやすいので、魚の頭の骨を外してゆくと中央に二つの白い耳石が見えてきます。
丁寧に耳石を取り出し、顕微鏡で見ると木の年輪を見るようにたくさんの輪が見えます。倍率の低い顕微鏡のほうが見やすいようです。日輪まで数えるのは難しいといわれます。
写真で見ると白い米粒のような形をしており、真鯛などは縦10㎜、横5mmほどの大きさのものが二つ出てきます。鯛のあら炊きの時などに確認できると思います。
鳥類や魚類の耳石には磁性物質があることが発見されました。
これによって地磁気を感知し、ナビゲーターの役目をしている可能性が高いことが研究の結果判明しました。
サケやアユが生まれた川に戻ることや、ハトが見知らぬ土地で放たれても自分の巣に帰るのは、この機能が働いていると推察されています。
(出典元 広島大学 原田学長)