さかなの知識 玄界灘にある「神が宿る島」と漁業 その2 さて前回は漁業の話には触れずに終わってしまいました。 今回はこの神の島“沖ノ島”と漁業との関わりについて綴ってゆきたいと思います。 沖ノ島周辺は波が高く、時には危険な海ですが今も昔も好漁場で沢山の漁船が操業を行っています。 主な漁業は中型旋網(まきあみ)、ふく(ふぐ)はえ縄、はえ縄、イカ一本釣り、アジ一本釣りなどで年間... サカマ
さかなの知識 玄界灘にある「神が宿る島」と漁業 その1 早いものでこの「さかま図鑑」を執筆開始以来250話目に達しました。 日頃、読んでいただいている皆様に厚く御礼申し上げると共に、これからも様々な“魚のトピックス”について取り上げてゆきたい所存でございますので、何卒宜しくお願い申し上げます。 さて、この251話目は福岡県に関する記事を書こうとずっと思っていました。 「何で... サカマ
さかなの知識 卵の孵化 昨年、千葉県の女子高生が殻を割った食用卵を使って、雛に孵すことに成功したニュースがありましたね。 コップに入れた“生卵”を孵卵器に入れて実験をしたところ、5日目に心臓が形成、1週間後には杯盤が変化してひよこに形成されつつあります。 そして3週間目には体のほとんどが出来上がり、遂には元気なひよこが誕生したのです。 これま... サカマ
さかなの知識 魚の遊泳速度を知るには? 季節の移り変わりとともに魚は産卵や餌を求めて、北へ南へと集団で大移動するものがあります。 これが“回遊”でマグロ、カツオ、サケ、マス、サンマ、ブリ、イワシなどが季節によって移動をしています。 これらの魚が一日、または一時間にどれだけの速度で移動をするのか知ることは、魚が漁場にやってくる時期を想定して、合理的に漁を行うこ... サカマ
さかなの知識 メキシコ新婚旅行で起こった惨劇! 何だかのっけから物々しいタイトルになってしまいました。 昔から新婚旅行の旅先で起きた様々なトラブルから、その後の結婚生活に重大な影響をきたすということはよく見聞きしたものですが…。 新婚旅行から帰国して“成田離婚”という言葉があったぐらいですし。 さて、今回はメキシコで起こったとっても悲しいお話、そしてそれが「魚」によ... サカマ
さかなの知識 魚の大きさと味の変化 魚にはそれぞれ種類によって食べ頃の旬が違うことは皆さんご存知でしょうが、これは魚の大きさによって異なるということは知っていますか? この“旬”というのは、実は成魚の身の旨さについてなのです。 魚が成魚になると、次世代の子孫の繁栄のために繁殖という重要な活動を行います。 これは魚に限らず全ての生き物の定めですね。 繁殖に... サカマ
さかなの知識 再びの…マダイあれこれ その2 前回はマダイの採卵についてお話をしました。 さて、今回はふ化したあとの仔魚の飼育についてです。 産まれた受精卵は直ちに細胞、器官が成形されてゆき、およそ20℃弱の水温で卵を安置したときに48時間でふ化をします。概ね80%のふ化率です。 (写真01) ふ化したての仔魚は2ミリ程度、単体で泳ぐことはできず、水に流されるよう... サカマ
さかなの知識 再びの…マダイあれこれ その1 初夏の気候になると、思い出します。 以前勤めていた種苗生産現場ではマダイの生産真っ最中だったことです。 当時は休む暇もないほど忙しく、種苗を飼育している水槽施設の外に広がる新緑と青空の美しさに遊びに行きたいと恨めしく思ったりもしましたが、今になるととてもいい思い出です。 マダイの生産は梅が咲き始める3月初旬から始まりま... サカマ
さかなの知識 マダイあれこれ その3 鯛と日本人の関係のお話について、まだまだ続きます。 歴史の話になると止まらなくなってしまうのです…今回もお付き合いくださいませ! 平安の貴族社会では鯛が特別な魚として扱われていたことを前回綴りましたが、その名残は現在も実はあるのです。 幕末まで天皇の昼御膳は毎日「鯛の塩焼き」が供されており、京都御所では大阪湾で獲れた鯛... サカマ
さかなの知識 マダイあれこれ その2 日本に於いて古くからマダイは「魚の王様」という位置づけにあり、鯛という名前を語呂合わせにした「目出度い(めでタイ)」という言葉はあるほどです。 七福神のえびす様の腕の中には赤い鯛が乗っかっており、今も昔も日本では最も縁起がいい魚です。 バブル経済の昭和時代後期、正月をはじめ慶事があるシーズンになるとマダイの需要は非常に... サカマ