前回まで数話に渡り、台湾から香港を経由して日本に入って来る「密輸ウナギ」というキナ臭いお話を綴っていました。
今回からはガラリと話の内容を変えて、日本人とウナギとの関わり合いや歴史について綴ってゆきたいところです。
さて、7月25日は土用の丑の日でしたが、皆さんはウナギを食べましたか?
本年(2017年)の夏は8月6日も土曜の丑の日ですが、そもそも「土用の丑の日」って何だ?ですよね。
この「土用」とは、古代中国を起源とした五行思想(五行説)という自然哲学の思想で、万物は木・火・土・金・水の5つの元素から成り立っていると説いています。
これら5つの元素は互いに影響を与えあい、盛滅盛衰によって天地万物が変化して循環するといわれています。
そしてこの五行は季節の変化、つまり四季を抽象化しており春は“木”、夏は“火”、秋は“金”、冬は“水”と割り振っています。
そして四季からあぶれてしまった“土”ですが、これは植物の芽が土から出て発芽する様子、万物を育成・保護する性質をあらわす「季節の変わり目」を意味することになりました。
移りゆく異なる季節の間に「土用」を設定することは、消滅してゆく古い季節と、これから訪れるまだ充分に成長していない新しい季節を静かに交代させる働きがあるのです。
そしてこの「土用」は季節が終わる18日間割り振られ、土用が明ける日は次の季節の始まる日の前日であり、夏の土用は立秋の前の日にあるのです。
そして今度は「丑の日」ですが、これは十二支の「丑」ということは皆さんご存知と思います。
十二支の干支は今でこそ年を数えることが最も馴染みが深いものですが(年賀状が一番わかりやすいですね)、昔は方角や日付、時間を数えるときなど色んなことで使われていました。
余談ですが、浅草線東銀座駅から銀座線銀座駅の連絡地下通路には干支のデフォルメされた彫像が並べられており、忙しいときでもこの彫像を見ると癒されます。
やっとこれで繋がりましたね。
「土用の丑の日」とは、土用の期間の間にある丑の日のことで、暦によりますが今年は土用の間に2回丑の日があります。
知り合いのコンビニ店長は、第一、二土用丑の2回ウナギ商戦を仕掛けろと本部から指示(彼は脅迫と言っていましたが…)を受け、重いノルマを目の前にうんざりとしていました。
…お疲れさまです!
画像出典元:https://shikinobi.com/doyounoushinohi