旨味成分とはなんぞや その1


私はサカマにて、全国から水揚げされた魚のご紹介記事を書いております。
いつもご利用いただきまして、誠にありがとうございます。
四月も終わりになりニシンやブリ、カニなど冬に美味しい魚からサワラ、タイ、サクラエビなど春の魚が水揚げの中心となりました。
昔とんねるずが「♪コンクリートに囲まれた空は色がないわ」と唄っていましたが、都会のコンクリートジャングルの一角であっても全国の水揚げ便りを見るにつけ、魚のレビューを書くにつけ、季節の移ろいを感じている次第です。
さて私がよく書く表現で「旨味たっぷり」という言葉があります。
旨みとは単純に美味しさがあるというニュアンスでないことはご存知でしょうか。
恥ずかしながら私は最近まで知りませんでした。
知るきっかけは、それを指摘した妻の言葉だったのです。しかもドヤ顔で…。
味覚は「甘味」、「苦味」、「酸味」、「塩味」と分類されることは皆さんご存知ですね。
「旨味」とは上記4つの味覚を構成する一つで「基本味」と呼ばれているもので、味覚はこれらの5要素から成り立っています。
一般的に旨味というのは、料理の味わいの奥行を深くするための要素とされています。
この旨みとは様々な物質で構成されているもので、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸が代表的な成分です。
私が抱いた疑問は「甘」、「苦」、「酸」、「塩」という味覚は本能的に知っていて目的が一つしかない味わいですが、「旨」というのは甘くても、辛くても感じることができ、それに人によって旨さの基準が違うのではないかということでした。
出汁を取っていない味噌汁を飲んだとき、物足りない気分(または切ない気分になることでも可)になりますね。
その理由として味噌汁の出汁となる昆布にはグルタミン酸が豊富に含まれていますが、出汁を取っていないことで旨味を構成するグルタミン酸が味噌汁の中には存在していないため、つまり「旨味がない」状態なのです。
古来より日本は素材の味わいを活かした和食が中心のため、この感覚が意識されています。
一方、西洋ではチーズやトマトなど旨味が強い食材を、肉など元々旨みがある素材に使用するため、「旨味とは塩味や甘味が程良く調和した状態に過ぎない」と日本が主張する旨味の考え方は懐疑的でした。
旨味の成分は20世紀初頭には解析されましたが、ヒトの下に旨味の受容体があることが解明されたのは2000年まで待つことになります。
では、続きはまた明日。

 

旨味成分とはなんぞや その2

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