海苔のおはなし その4

前回は乾燥海苔の作り方について綴ったところでお話が終ってしまいました。
簾の上で乾かしたら、更に電気熱や炭火を使ってよく乾かすと“乾海苔”が出来上がります。
盆から正月にかけて獲れる海苔はアオサやアオノリなど混ざりものが少ないので、この時期に獲れた海苔は上等品なのです。
そして、この時期の海苔は粗く刻んで、薄く漉きあげています。
一方、春先に獲れるものは混ざりものが増えてしまうので、厚く漉いて仕上げをするのです。
そのため、薄い海苔ほど“上等品”である訳なのです。

さて海苔の佃煮も日本の食卓には忘れてはならない“アイテム”ですよね。
ワタクシは海苔の佃煮さえあれば白飯が茶碗3杯は進みます。
そんな海苔の佃煮ですが、市販品のものはアオノリ(ヒトエグサ)やスサビノリで作られているものが多く、純粋な“海苔”の佃煮はなかなか見当たらないです。
ところで台所の片隅に長いこと寝かして“しけった”焼き海苔を佃煮にすると、これまた美味しいですよ。

海苔の佃煮を製造しているメーカーは数多くありますが、その中で歴史があり最も有名な会社といえば「桃屋」ではないでしょうか。
1920年(大正9年)に創立した同社は“花らっきょう”や“福神漬け”、“野菜みりん”など漬物類を製造販売していましたが、昭和初期には当時はまだ珍しい高級果物缶詰を製造してデパートなどに卸していました。
そして戦後の1950年(昭和25年)、海苔の佃煮の「江戸むらさき」が発売されます。
“江戸紫”とは染め物の色名のことをいいますが、佃煮に使用される醤油の別名「ムラサキ」に掛けているのです。
余談ですが寿司屋の醤油も「ムラサキ」という符丁がありますね。
以前寿司屋でもぐもぐ食べていたとき、カウンターの脇に偉そうに座っていた食通気取りのオッサンがおもむろに「大将!ムラサキ切れているよー」と大きな声で叫んでいましたが、これはとても見ていて恥ずかしかったなぁ。
職人さんたちの符丁をどや顔で“素人”であるお客が使うのは何だかなと思うのですが…。

話を元に戻してっと…、桃屋さんの“江戸むらさき”は三重県伊勢湾で獲れたアオノリを原材料に醤油、砂糖、水あめで味を調えて製造されています。
製造当初は釜で炊き上げていましたが、現在は機械化されていますが、味は昔と変わらない旨さです。
画像出典元:http://ryouri-kankoku.seesaa.net/article/188782105.html

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