サケあれこれ その1


先日まで8回に渡りサンマについてあれこれ綴りました。
日常でお馴染みなサンマには、沢山のミステリアスなことがあることをお伝えしました。
きっと、今年のサンマは例年以上に美味しく感じることでしょう…!?
さて、今度は「サケ」についてつらつらと綴ってゆきたいと思います。
秋も深まり空気が冷たくなってきた頃、鮮魚店の店頭にはギンザケ、秋ザケ、ベニザケ、マスノスケ、カラフトマス…など様々なサケ科の仲間が並んでいます。
そして、味わいや旨み、食感に各々の個性があります。
しかし、日常では「サケ」も「マス」も一緒くたに鮭と呼んでいますよね、随分乱暴かもしれませんが。
サケとマスの違いについて、実際のところ生物学的には明確な違いはありません。
英語では「サーモン」、「トラウト」という単語がありますが、欧米では海に降りる習性があるものを「サーモン」、川など淡水の環境下で生活するものを「トラウト」と呼んで区別しています。
その昔、日本ではサケ科の魚はサケとサクラマスのみ生息されているとされていましたが、明治時代になり、開拓団が北海道の道東にて「新種」のマスが発見されました。
これが「カラフトマス」だったのです。
そして、オホーツクやベーリング海など北洋での水産活動がはじまり、樺太・極東ロシア方面にてマス・サケ操業が始まりましたが、さらに日本に分布しないサケやマスが発見され、水揚げされた魚は「ギンマス」、「ベニマス」などマスの名前で呼ばれるようになりました。
しかし、当時のサケは高級な魚として扱われており、「ギンザケ」、「ベニザケ」として流通・販売され現在に至ります。
現在、日本ではサケとは川で産卵して海に下るもの、マスとは一生を川など淡水域で生息するものと分類されています。
一方、サーモンという魚は世界各国によって次のように扱われています。
欧州では大西洋のみ生息している「アトランティックサーモン」のみを指し、米国では太平洋に生息しているマス各種の総称です。
そして日本ではサーモンとは海洋性のマス(カラフトマス)、またはニジマスを指します。
ニジマスがサーモンに含まれるというのは意外ですが、海洋を回遊するサクラマスが淡水域のみで一生を送るものは「ヤマメ」といい、別の種として扱われています。
誠にややこしいです。
ともあれ、サケ、サーモン、マス、これらのサケ科の生物はとても奥が深いものです。
画像出典元:http://zisui-kenkou.com/sake-787.html

 

サケあれこれ その2

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