サケあれこれ その8


そしてサケのお話第8話に突入です。
最近はすっかりワタクシがサケづいてしまいまして、このところ夕食のメニューもサケ尽くしです。
定番の塩焼き、ムニエル、クリームパスタ…、家の者はすっかり飽きているようですが。
秋に水揚げされるサケは一般的にシロザケですが、時折“鮭児”というものが流通します。
そしてこの魚の浜値が非常に高く、キロ単価は安くても3万円台。
鮭児はおよそ3キロ前後の魚ですので、1尾が10万円以上で取引されているのです…凄いですね。
さてさて鮭児、君は一体何者なのか?
鮭児とは北海道の道北・知床~網走付近のオホーツク海にて晩秋に漁獲される、脂が非常に乗っている3~4歳前後の若い鮭のことです。
鮭児の最大の特徴は卵巣または精巣が未成熟なこと、硬骨魚類特有の胃の下部にある幽門垂(消化酵素を分泌する機関、塩辛の原料になる)の数が約220本あることです。
ちなみに日本由来の一般的なシロザケの幽門垂数は夏サケが159~245本、秋サケは167~220本です。(1990年水産庁北海道さけ・ますふ化場調べ)
漁獲量は普通のサケ1万匹に対して1 - 2匹程度しかなく、幻のサケといわれております。
魚の形は一般的なシロザケより小ぶりでずんぐりとしており、身に付いている脂肪は通常のサケが2 ~ 15%程に対して鮭児は20 ~ 30%という、いわゆる全身トロ状態の魚なのです。
鮭児が日本付近の沿岸に現れる理由について、11月頃の晩秋にオホーツク海で漁獲されるシロザケは産卵のため母川に向かっている個体が主たるものですが、産卵に関係がない鮭児は餌を探す行動(搾餌回遊)でこの付近に生息しているのです。
また、鮭児は日本の河川で産まれたものではなく、中国やモンゴル、ロシアなどユーラシア大陸の東側を流れる“アムール川”が母川なのです。
夏にアムール川を降りてオホーツク海に出た若いサケは、稀に日本へ産卵のため戻る成熟したシロザケの群れに紛れて南下します。
兎に角、脂の乗りが非常にいい魚ということもあり、身の濃厚な旨みと滑らかさが心ゆくまで堪能できます。
鮭児の販売を行っている道東の魚屋や仲買のホームページでは、半分凍らせた「ルイベ」で食べることを強く勧めています。
サケ類魚類は寄生虫のアニサキスが体内にいることが多いので、冷凍処理をして生の鮭児の味わいを愉しむことがいいですね。
焼くと、霜降りステーキのような極上の旨さと食感が素晴らしいそうです…ああ、食べてみたい。
画像出典元:http://hayaka-hayabusa.com/3468

 

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