臭いものほど旨い!?


4月に入りすっきりしない天気が続きますが、日に日に暖かくなってきていますね。
青空に映える桜の花びらを写真に収めたかったのですが、今年は叶わぬ夢となりそうです。
今日の東京は23℃、今年初めての半袖一枚の外出でした。
歳を取るにつれて、季節の変わり目に香る匂いに敏感になっている気がします。
ふとそんな匂いを嗅いだとき、遠い昔の思い出やら青臭いことやら鮮明に思い出されます。
そんなもので今日横浜の海っぺりで嗅いだ潮と春の匂いは、学生の頃この時期に毎年出掛けていた伊豆の記憶が蘇ったのでした。
伊豆といえばアジやサンマ、キンメ、トビウオなど獲れたての浮き魚を道路沿いに干している光景を必ず見ます。
旅館に泊まって、朝食で出て来る干物の塩焼きがこれまた旨いのです。
ご飯が何杯も進んでしまうので、活動する前から満腹で苦しくなってしまうのも伊豆旅行の醍醐味ですが…^^;
そして伊豆の沿岸を歩いていて、時折道沿いに干してある魚から激しい臭いが発せられていることに気付くはずです。
台湾で臭豆腐を食べたことがありますが、それよりも臭いは強かったと思います。
もう皆様はご存じでしょうが、この臭いの発生元はくさやです。
私はくさやは好きですが、自宅マンションでくさやを食べる自信はありません。
くさやの臭いの元は「くさや液」といい、魚の内臓、血液、そしてサメの頭などを海水に入れて醗酵させた、茶褐色の粘り気がある魚醤みたいなものです。
この歴史は江戸時代まで遡り、急峻な崖が多く畑作が難しい伊豆諸島の人々が、江戸への献上品として作られたのがはじまりです。
元々は魚を塩水に漬けるだけのものでしたが、当時の塩はとても貴重な存在で漬け汁を繰り返し使用しているうちに、液体内に魚の有機成分が溜まり、微生物が沢山存在するようになったため、この様に激しい臭いが発しているのです。
江戸時代の魚河岸たちが「クサイからくさや」と呼ばれるようになったのが由来だそうです。
こんなに激しい臭いのに旨い味わいで、酒のツマミにばっちりなのでくさやファンは結構多いです。
また最近ではくさやに含まれる乳酸菌やビタミン、アミノ酸が豊富に含まれていることから健康食品としての人気も出ています。
さて、くさやより更にクサイ魚の加工品これも皆さんご存知ですよね、シュールストレミング。
ニシンを塩漬けにしたスウェーデンの缶詰です。
くさやの20倍以上の臭気が観測され、破裂の恐れがあるため飛行機には持ち込みができないほどです。
画像出典元:http://kusayaya.com/

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