毎年4月から5月にかけて、鹿児島ではモジャコ漁が行われています。 鹿児島県内海域のモジャコ概況を県水産振興課のホームページに記載されており、週単位で情報が更新されています。 何だか特別な魚のように思えるこのモジャコの正体、実はブリの稚魚なのです。 魚の養殖は卵を人工ふ化して種苗を育て上げるところもありますが、民間業者の...
さかなの知識
さかなの知識の記事一覧
サバは知っていてもサバヒーとは何ぞや? 太平洋南部からインド洋にかけて熱帯で生息する魚で、日本では殆ど馴染みがありません。 日本近辺では台湾(特に台南)、インドネシア、フィリピンで食用利用されています。 ネズミギス目という種に属し、英語ではミルクフィッシュと呼ばれています。 形態的にはニシンやイワシに似ています。 海水...
かまぼこが文献に登場してから900年経ったといわれます。 かまぼこがこれほどまで歴史があるとは思いもよらなかったですね。 ■蒲鉾の歴史を振り返ってみましょう 古くは材料を竹に巻きつけ、棒状にしたところ、蒲の穂に似ているところから蒲鉾と呼ばれるようになったようです。平安時代は淡水魚のナマズなどが原料になっていました。 こ...
放流前日に種苗は野菜ネットに種苗を小分けして、野菜バスケットの中に入れて水槽に安置します。※1 小分けする理由は運搬の効率化以外に、種苗受け入れ先は放流場所を数か所に分けて行うからです。 翌日の早朝に受け入れ先がチャーターした漁船が到着するので、海水が張っている魚槽に種苗を小分けした野菜かごを入れ込んで出荷します。 ...
桜が咲く頃、すくすくと育ってきたトコブシの稚貝は食欲が旺盛で、配合飼料を残さず食べます。 この頃になると、かなり大きさに個体差が出てきます。 同じ時期の採卵の種苗でも、最少6ミリ、最大23ミリとかなり大きさにばらつきがあるのです。 なるべくなら放流時までに大きさの個体差を解消して、小さい個体は早く成長させたいところです...
前回は幼生のふ化から摂餌開始までのお話でした。 稚貝が波板に付着している珪藻を食べる量は、成長するにつれて比例します。 飼育中は常に海水をかけ流しているので波板に珪藻が付きますが、次第に稚貝の摂餌量に追い付かなくなってきます。 少し気を抜いた瞬間に、波板に付着していた珪藻が全てなくなり、つんつるてんという事態が発生する...
9月になるといよいよトコブシの採卵を開始します。 トコブシの初期飼育で最も適した水温は25℃以上30℃未満であり、この水温帯は9月だからです。 卵巣・精巣がしっかり膨らんだ親貝を採卵で使用します。※1 オス、メスと別々の水槽に入れて遮光をして、紫外線で照射された海水をかけ流します。 紫外線照射海水がアワビ・トコブシの採...
前回では採卵で使用する親貝の買い付けをして漁船などで運搬する話でした。 ところで日本全国の水産試験場や栽培漁業センターは必ず海岸沿いにあります。 最大の理由は、飼育で利用する海水を常に供給できるからです。 施設によっては事業場の沖合に生け簀を作り、そこで飼育をしているケースもあります。 沖合に取水口を設け、取り込まれた...
さて、前回ではアワビ類の栽培漁業概要と堅い話になってしまいましたが、今回はどの様に現場で種苗生産が行われているかお話をしたいと思います。 私はトコブシ亜種のフクトコブシ生産を行っておりました。 東京八丈島を北端に九州、沖縄、台湾方面など温かい水温域に生息する種族です。 成貝の殻長が7センチのトコブシは、殻長が15センチ...
日本の国土面積は38万㎢と世界で61番目の国土の大きさですが、領海と排他的経済水域(EEZ)の大きさは世界で6番目の大きさなのです。 日本列島以外に数々の離島が存在しており、広大な領海と排他的経済水域により、我が国には潤沢な海洋資源があります。 戦後、日本の高度成長期とともに漁業の発展も進み、漁船の高性能化や漁法の機械...