そもそもサンマってどんな魚?
秋刀魚(さんま)とは、北太平洋に広く生息している回遊魚です。
日本海を含む日本近海から、アメリカ大陸沿岸はアラスカからメキシコまでの海域に分布しています。
成魚は海洋の表層近く(表層から10-15m程度)を大群をつくって泳ぐ性質があります。
日本近海に現れる群れは、太平洋側では黒潮の暖流域で孵化し海流とともに北上し、夏季はオホーツク海方面で回遊し成長します。
成魚になると、秋の産卵のために寒流(親潮)に乗って太平洋側では東北から関東・近畿・九州と南下していきます。
日本海側でも同様に山口県沖の対馬海流の暖流域で産卵し新潟県沖など日本列島を囲むように南下を行うことがわかっています。
また、秋刀魚は動物性プランクトンや甲殻類、小魚、魚の卵などを食べるとされ、さんまの捕食者としては、ミンククジラなどの鯨類、ハイイロミズナギドリ、ウトウなどの鳥類、ギンザケが挙げられます。
2022年、サンマの値段が高騰してるって本当?
『秋刀魚は不漁であるようです。』
ANNニュースの2021年9月15日付けの記事によると、漁獲量は「近年でピークだった2008年と比べ、去年は10分の1以上減少」、価格は「この3年高騰が続き、2008年の約7倍に」なっているといいます。
秋刀魚の漁獲量の低下の原因として、中国が秋刀魚を乱獲していることや、近隣諸国の秋刀魚の漁獲量の増加がメディアによって語られています。
日本の秋刀魚の漁獲量の低下は、上記の原因である可能性もあるが、日本への来遊量の低下が主な原因であるとも考えられます。
国立研究開発法人 水産研究・教育機構は、秋刀魚の日本への来遊量を調べています。
その機関の調査内容によると、秋刀魚の来遊量の変化は、2008年には約450万トン確認されています。
しかし、それ以降徐々に来遊量を減らし、2013年には約290万トン、2018年には約200万トンになっています。
2022年、秋刀魚の値段が高騰していることは本当であり、その理由はサンマの来遊量の低下に比例する、秋刀魚の漁獲量の低下が主な要因だと考えられます。
サンマの値段相場の推移
秋刀魚の値段は、昔と比べて徐々に上がっていっています。下記の図を御覧ください。
秋刀魚(100㌘あたり)の価格推移 月/年 | 2015年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 |
6月 | 72円 | 97円 | 88円 | 102円 | 134円 |
7月 | 73円 | 98円 | 90円 | 103円 | 139円 |
8月 | 107円 | 135円 | 88円 | 106円 | 150円 |
9月 | 113円 | 139円 | 136円 | 165円 | 179円 |
2020年より、2021年の価格が高騰していることがわかります。
2020年も不漁の年でしたが、2021年のほうが高価になっています。
秋刀魚の価格の毎年の平均的な推移として、7月から8月に価格が上昇する傾向にあります。
そして市場をにぎわすのは秋ごろです。
ですから7月から8月に価格が上昇し、秋ごろに落ち着いてくるといった推移をたどっていきます。
これは去年の2021年も同じような推移も見せています。
今年もその推移に合わせて値段が変動していますが、2021年の秋刀魚の100gあたりの値段は、過去6年で最高値になっています。
さらに、10年前と比較すれば、秋刀魚の価格が2~3倍になっていると示すデータもあります。
2年前の2020年やそれより過去から比較して、秋刀魚の値段が徐々に上がっていっていることは明らかだと言えます。
2022年、スーパーで売っているサンマ一匹の値段相場はいくら?
今年2022年現在、スーパーで生秋刀魚を一匹いくらで買えるのでしょうか。
前段で解説したとおり、秋刀魚の価格は7月から8月に価格が上昇し、秋ごろに落ち着いてきます。
これは初物(その季節に初めて収穫した野菜・果実・穀物など、魚介などにもいい、『縁起物』の代名詞として使われることがおおい)と秋以降の秋刀魚では、価値や水揚げ量が違うからです。
それぞれの価格について見ていきます。
場所(スーパー)/130㌘級の生秋刀魚一匹当たりの価格 | 初物 | 初物以降 |
札幌市内 | 1080〜1620円 | 216円 |
東京都内 | 400円 | 150円前後 |
広島市内 | 500円前後 | 130円前後 |
今年の初物の秋刀魚の価格もやはり高騰しています。
初物とそれ以降の秋刀魚の値段を比較すれば、3倍~4倍以上の価格差があることがわかります。
特に、北海道の釧路でサンマ漁が解禁された直後の初物はニュースになるほどにスーパーで高値をつけます。
日本で一番はじめの秋刀魚のせりの現場はテレビで放送されます。
北海道の釧路などで獲られた初物のサンマは空路を使い、冷凍されずに鮮度を保ったまま、全国の漁港へ運ばれていきます。
8月の終わりにかけて、東京や関西のスーパにも初物サンマが陳列されますが、かなりの高価格です。
秋刀魚の価格相場が年々と高騰していると言っても、初物ではなく、水揚げ量も増えてきたころになると、スーパーで販売される秋刀魚の価格のリーズナブルになります。
秋刀魚を購入する地域や西友などのスーパー、セールなどの状況によっては価格も変動すると思いますが、生サンマ1尾の価格は、高くても200円前後だと考えられます。
サンマの旬の時期はいつ?
秋刀魚の旬は9~10月の一ヶ月間です。8月末頃、北海道の釧路などで水揚げが始まりまり、そして徐々に気仙沼市がある三陸沖まで水揚げが南下します。
北海道から三陸沖に水揚げされるのは8月末から10月中旬頃までになり、サンマの旬は9~10月の一ヶ月間となります。
旬の時期には、関東の銚子などにも秋刀魚が周遊するので、水揚げ量が増えていき、値段も落ち着いていきます。
それ以外の時期に売られている秋刀魚は冷凍のものや缶詰です。
サンマはどのような調理方法で楽しむことができる?外食の値段は?
秋刀魚は、刺し身などの生物から、焼き物、揚げ物と様々な料理法で食べられています。
外食でサンマを食べようとすると、チェーン店では1000円以下で食べられます。
また秋刀魚はそれぞれの地域で郷土料理として食べられてもいます。
例えば、岩手県には「サンマのポーポー焼き」といって、サンマのすり身に味噌、ネギ、生姜などをまぜてハンバーグ状にした郷土料理があります。
他には、千葉県の「さんが焼き」、三重・和歌山・奈良県などの東紀州で食べられる「さんま寿司」などもあります。
その他の料理はどうでしょうか。
干物
秋刀魚の旨味がギュッと詰まった干物です。
そのまま食べるのも美味しいのですが、炙ったて食べるのも美味しいです。
通販サイトを観ると、秋刀魚の干物は一匹あたり250円~300円前後で購入できます。
蒲焼き
秋刀魚に甘辛いタレをつけて焼く蒲焼きは、ご家庭でも作ることができますし、外食チェーン店でも食べることができます。
蒲焼きと聞くと、うなぎを思い浮かべる方が多いと思いますが、秋刀魚の蒲焼きも美味しいですよ。
缶詰・冷凍
缶詰や冷凍された秋刀魚は、旬が外れても一年中スーパーで販売されています。
通販サイトを観ると、缶詰の秋刀魚は一缶100~200前後。
缶詰の秋刀魚は味付けがしっかりされており、手軽にたべることができます。
冷凍の秋刀魚は、1kgあたり3000円から買えるようです。
まとめ
今回は、秋の味覚「秋刀魚」についてまとめました。
周遊量の低下や、近隣諸国との漁の兼合いにより、昔と比べ秋刀魚の価格は高騰していっています。
秋刀魚は「大衆魚ではなく、高級魚になった」とも言われますが、初物を外せば、まだまだ一般家庭でも食べられる価格です。
秋刀魚が食べられることに感謝し、せっかく食べるのであればできるだけ美味しく食べようとすれば良いのではないのでしょうか。
記事を最後までお読みいただきありがとうございます。
サンマの値段についてまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回、サカマでは以下のトピックについてご紹介してきました。
- そもそもサンマってどんな魚?
- 2022年、サンマの値段が高騰してるって本当?
- サンマの値段相場の推移
- 2022年、スーパーで売っているサンマ一匹の値段相場はいくら?
- サンマの旬の時期はいつ?
- サンマはどのような調理方法で楽しむことができる?外食の値段は?
- まとめ
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