魚に関することいろいろ

魚のフェロモン その4

前回ではアメリカのブルヘッドナマズを用いた“集合フェロモン”についてお話をしました。
単体で縄張りを張って生活しているナマズでも“集合フェロモン”を嗅ぐと、たちまち集団生活に適応するということでした。

さて、刺されると痛いゴンスイが集団で玉のように集う“ゴンスイ玉”を見たことがある方もいらっしゃるかと思います。
ゴンスイ玉はゴンスイの若魚が集まって出来るものですが、これも“集合フェロモン”の存在が明らかになっています。
ゴンスイが群れを作るとき、仲間の動きを目で見て互いに接近しますが、このとき視覚の役割以上に各個体の皮膚から発散する“におい”が大切であるといわれています。
海中で見つけたゴンスイ玉の群れをそのまま捕らえて水槽に移したところ、最初のうちは集団になって固まっていますが、時間が経つにつれてゴンスイは各々水槽中に散らばるようになります。
これは分泌されたゴンスイの集合フェロモンが水槽全体に広がるためなのです。

また1尾のゴンスイを入れた水槽の左右に別の水槽を持ってきて、これらの水槽間にはパイプが通っています。
左の水槽からは自分の集団の匂いがする水を、右の水槽からは他の集団の匂いがする水、または純海水をゴンスイがいる水槽にパイプを通じて注水します。
ゴンスイが最も反応するのは自分の集団の匂いがする水で、ほかの集団の水には僅かに反応する程度、そして純海水は全く反応しない結果でした。
このようにゴンスイは自分の集団のにおいは勿論のこと、他の集団のにおいを嗅ぎ分けることが出来る能力を持っています。

しかしゴンスイは“におい”に対して、常に生まれつきのものを覚えているという訳ではありません。
海では別々に生活している2つの群れをひとつの水槽に集約したとき、しばらくの間は一緒になることはありませんでしたが、一週間経過したとき二つの群れは混じり合うようになり、最終的には一つの群れに統合してしまいました。
ゴンスイは常に自分のにおいを記憶しているので、新しい集団と遭遇したときは“におい”を覚え直すことで自分の集団のにおいとして捉え直すことができるのです。
これはゴンスイがブルヘッドナマズのように縄張りを持って争う性質ではないので出来る芸当ではないでしょうか。
画像出典元:http://nayamikaiketulife.seesaa.net/article/403125273.html

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