マダイあれこれ その5

さて前回ではマダイは日本以外ではメジャーではない魚と言うことを綴りました。
日本人とマダイの付き合いは大変長い歴史があり、日本各地の縄文・弥生時代遺跡や貝塚からはマダイの骨や歯が多く出土しており、その頃から食されていたことが推測されます。

ところで名前に「タイ」とつく魚はアマダイ、キンメダイ、マトウダイなど、300種以上にも存在しますが、その中で分類学的にマダイと同じスズキ目タイ科に含まれる近縁の魚は、日本近海で漁獲されるものについてはキダイ、チダイ、クロダイなど13種類にすぎません。
その他の「タイ」は、形が平らな魚であることや、タイのように赤くて、美味しい魚という意味が名前の由来となっています。

マダイの生息域は北海道以南から九州南部、屋久島、種子島にかけての太平洋、日本海、東シナ海、日本以外では朝鮮半島、中国沿岸部の東シナ海、南シナ海に生息しています。
浅瀬の藻場から水深200メートル程の沖合の水域がマダイの好む生息環境です。
成魚の大きなマダイは群れを作らず単独で行動して、餌となる魚を追い求めて海の中層から海底にかけて広い範囲で生活していますが、小型の若い魚は群れを成して砂泥底にかたまっており、主に甲殻類を食べて生活しています。

九州近海や瀬戸内海に生息するものが多く、潮の流れが速く餌の多い瀬戸内海の明石海峡付近で獲れた明石鯛は身が引き締まっており、鳴門海峡の鳴門真鯛と並んで絶品と言われています。
九州以南の海域はマダイの生息数が少なくなりますが全くいないという訳でもなく、奄美から沖縄にかけての海域で少数ながら生息されていることが確認されています。

そして東京都の管轄である伊豆諸島海域でも南へ行くほどマダイの数は少なくなります。
一昔前までは八丈島以南ではマダイの生息が確認されておらず、南限の八丈島ではごく稀にマダイが釣れる程度でした。
1992年(平成4年)より、東京都は八丈島にて父島にある小笠原水産センターで種苗生産されたマダイ稚魚を数万尾放流する事業を開始しました。
小笠原は八丈島よりさらに600キロほど南下したところにあり、もともとマダイは生息していない海域でしたが、1982年(昭和57年)に東京都水産試験場が父島でのマダイの種苗生産試験に成功してから、年間数百万尾の単位で生産できるようになりました。
そして、父島で育ったマダイ稚魚が八丈島へ運ばれて放流されるようになったのです。

画像出典元:http://service-news.tokyo/kasiwazaki-71/

マダイが気になったら、サカマショップ!

 

マダイあれこれ その4

新鮮な鮮魚が手軽に買える、サカマアプリ

blank

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事