世の中には色んな変な生き物が存在しますが、魚介類にも存在します。
今日ご紹介するのは、チャンバラをする貝です。
動きはとてもアクティブで、ときに飛びます。
高知県では「チャンバラ貝」、「キリアイ(切り合い)」、大分県では「サムライギッチョ」など呼ばれています。
この貝の和名は「マガキ貝」といい、殻の模様が、竹で粗く編んだ垣根の籬に似ていることから名付けられました。
日本近海では房総半島から南の太平洋沿岸に生息しています。
成貝は殻高6cm・殻径3cm位の大きさで、貝殻の形は巻きの一番下が縦長に発達した逆円錐形をしています。
ぱっと見た目は猛毒の針を刺すことで有名なイモガイ、アンボイナの様な形です。
イモガイに似ているのは、外敵より捕食を避けるための擬態という説がありますが、イモガイは魚を食べる肉食性に対して、マガキ貝は海中に漂うプランクトンを食べて生息している草食性の貝です。
腹足が退化しており、貝の蓋を動かして行動をしています。
この蓋は貝の身の先にある刀の様に見え、ブンブンと振り回している様がチャンバラをしているみたいなのです。
沢山のマガキ貝がそれぞれ蓋を振り回している光景は、まさにチャンバラです。
マガキ貝がチャンバラをするときは、敵から逃げるときなどです。
力いっぱいに蹴り上げて高くジャンプをします。
人に捕らえられて水中から出た時も、蓋のついた足で空中を蹴る行動を見せます。
さてそんなチャンバラ貝、旨い貝としても有名です。
西日本から南はとても馴染みがある貝で、高知では酒の席に欠かせないほどです。
最近ではマガキ貝の漁獲量が減ってきており、和歌山県では6月~8月のみしか採捕が許されておりません。
沖縄県では養殖が試みられています。
身は適度に締まっているので、弾力のある食感や歯ごたえが心地よいです。
ほのかな甘さが口の中に広がり、ツブ貝の様な旨さが楽しめます。
茹でや煮貝、炒め物などが一般的な料理方法で、天ぷら、味噌汁や吸い物の具にしても美味しいです。
また肝がとても美味で、ほろ苦さとつるっとした食感があります。
酢味噌付けなどにすると肝の味がより楽しめます。
貝殻ごと調理しますが、食べるときは爪楊枝を使いほじくり出すと、身が簡単に貝殻から取り出せます。
食用での流通が多いですが、水槽のコケ掃除をするアクアメイトとしてアクアリウム方面でも流通、販売されています。
食べるつもりに買ってきたチャンバラ貝の水槽掃除の健気さに食べられなくなることも。
私の友人は最終的に名前を付けて飼育しました…茶太郎だそうです(笑)
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