静岡でザトウクジラが迷い込む


静岡県伊東市の城ヶ崎海岸の富戸漁港の定置網に、5日(2015年12月)ザトウクジラが迷い込んだことが確認されました。

関係者の話では秋刀魚を折って定置網に入ったのではないかと話しているようですが、体長十数メートルのザトウクジラで雌雄は確認されていないようです。

定置網は幅およそ60~70m、長さ600m、深さおよそ60~90m。ミンククジラは時々定置網にかかることはあったが、ザトウクジラは珍しいと地元では話しているそうです。

7日以降定置網から開放する作戦を開始する予定のようです。

おりしもこの日我が家の夕食は「はりはり鍋」でした。ただ、クジラが手に入らなかったので、ほかの食材を使っていただきました。

子供のころはクジラ肉をよく食べたものです。冬になれば鍋といえばはりはり鍋でした。
夏場は「おばいけ」を酢味噌で食べるのも好きです。鯨のベーコンも大好きでした。

しかしスーパーで目に留まるのはごくわずかの鯨肉しかありません。それも庶民には高嶺の花となってしまいました。

日本の捕鯨活動に海外の目は大変批判的です。1986年に商業捕鯨モラトリアムが国際捕鯨委員会に採択されてから、商業捕鯨は禁止されてきました。

しかし例外として科学的データの収集のための捕鯨は許可されています。

オランダのハーグでは国際司法裁判所で、日本の南極海での調査捕鯨は、国際条約違反であるとの判決が出され、これを契機に反捕鯨派のオーストラリアやニュージーランドの国々では、今なお続けている日本の捕鯨活動に厳しく非難することになりました。

イルカ漁が行われている和歌山県太地町へは、2010年に同町を取材した映画「ザ・コーヴ」が米アカデミー賞を取り、国内外の注目を浴びて以来、抗議の便りや嫌がらせは世界中から寄せられることになりました。

「変態民族め」「大虐殺は日本の文化」などと内容もますます過激になってきました。英語や中国語、韓国語のメッセージも目立ち、南京大虐殺と関連付けるものも散見されました。
太地町ではこのイルカ漁批判にうんざりしています。

筋論で考えれば、国際捕鯨委員会の目的は、「鯨類資源の保存と有効利用、捕鯨産業の秩序ある育成」の2つです。

しかし80年代に反捕鯨運動を唱える非捕鯨国の加盟が「グリンピース」の指導の下に急増し、82年に「商業捕鯨モラトリアム(維持停止)」が採択されたのです。

現在の日本では捕鯨問題においてどんな立場であるのでしょう。
捕鯨類は80数種あるのですが、絶滅の危機といわれている種類もあれば、増えすぎている種類もあるのです。日本は絶滅危機に瀕した「シロナガスクジラ」などは保護を徹底しています。

一方で、資源が豊富で限られた捕獲がクジラの総数に影響を及ぼさないと国際的に認められている種類だけを、枯渇させないように持続的に利用するよう努めています。

捕鯨は日本の有史以前から行われ、西洋のそれとは別の技術を発展させてきたのです。明治時代から西洋式の捕鯨技術を導入し、南極海にも進出するようになりました。

ノルウェーやイギリスと並ぶ近代捕鯨国となっています。そして現在捕鯨の規制が強まった中で、調査捕鯨を中心に捕鯨を継続しているのです。

国際的な政治的なことは複雑すぎてよく分かりませんが、日本はもっと鯨を獲るべきではないでしょうか。もちろん資源を考えての捕鯨活動という意味です。

食卓に一日も早くあのおいしいクジラ料理が並ぶ日を、心待ちにしています。日本はあまりにも日捕鯨国の批判を恐れているように思います。

ガンバレ! 負けるな! 日本の捕鯨隊。

(出典元 朝日新聞デジタル2-15年12月7日)

 

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