日本の牡蠣あれこれ (その2)


日本にはマガキとイワガキが主流の貝で、各々生活環境が異なることと食べる旬が違うことを綴りました。

マガキは天然貝以外に、養殖貝も広く流通されています。
養殖は一年飼育したのち水揚げして販売されるので小ぶりな貝が多いですが、イワガキは天然貝の割合が多く、数年に渡り成長した貝はかなり大ぶりで殻長が20センチを超える個体もあります。

また、前回お話したようにイワガキは冷たい冬の海では漁ができませんので、流通量が少なくマガキより3倍の浜値で取引されることもあります。
しかし、養殖の貝は生育場所をよく吟味して生産されているため、天然貝より味が濃厚で美味しいとも言われております。
したがって、お店で買うときは天然貝や養殖貝と区別せず、食べる用途にあった貝(生食用か加熱用か)を選びましょう。

さて、牡蠣の生食用と加熱用の違いについて、鮮度がいいことが一番に想像すると思いますが、その理由以外に重要なことがあるのです。
それは、紫外線殺菌処理がされているかどうかということです。
生食用は大腸菌、ビブリオ菌など細菌数が、厚生労働省が定めた基準以下に適合するため、紫外線照射をして減菌された海水が循環している水槽に2,3日程入れます。
その間殺菌をしながら、餌を与えず貝の中の砂や老廃物を吐き出させます。
一方、獲れたままの牡蠣は「加熱用」としてのみ販売しています。

紫外線照射海水で滅菌された牡蠣は身が小さくなる傾向があり、業者の中には本来の味にこだわり敢えて殺菌をしないで「加熱用」を販売しています。
処置を何もしていない「加熱用」の方が、牡蠣本来の味わいが深く楽しめるとは思いますが、消化器官の殺菌はされていないので、決して生食では食べないようにしましょう。

日本で有名な牡蠣は有明海周辺に生息するスミノエガキがあります。
名前が有明海東岸の地名に由来したこの貝はマガキの仲間でイタボガイに属し、旬も秋から春とマガキと一緒の時期です。
諫早湾の干拓事業により、有明海の環境にも変化が生じてしまい、かなり漁獲量が少なくなっており、ほとんど県外の市場へは出回りません。

その他、シカメガキというマガキより小さい種はアメリカに輸出されました。
元々八代海周辺で食用されていましたが、第二次世界大戦直後の1946年(昭和21年)よりGHQの政策でアメリカ・シアトルへ種ガキが輸出されました。
アメリカ固有の牡蠣が疾病で相次いで死亡して、極端に生産量が落ちたためでした。
のちにアメリカで養殖生産が進むと、八代海では生産されなくなりました。
現在もワシントン州沿岸を中心に「クマモト」という名で養殖が続いています。
味は濃厚でクリーミーとのことです。
そして日本でも2006年に、八代海で再びシカメガイの生産実験が始まりました。
現在は購入場所や時期が限られますが、購入するチャンスがあります。

さあ、この記事を読んだあなたも牡蠣を食べたくなったはず。
食べたい調理法で美味しい牡蠣料理はいかがでしょうか。
しつこいですが、生食で食べるときはしっかり「生食用」を選んでくださいね。

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