能登半島の自然の恵みをいっぱい受けて育った岩牡蠣たち。お盆のころに産卵します。そのために4月から8月ごろが粒が大きく一番おいしい時期なんです。想像してみてください。あのプリプリした岩牡蠣にレモンやポン酢をかけて、一気に頬張っているところを。
豊潤で濃厚な旨味が口中に充満していく様子を。
牡蠣には代表的な牡蠣として、真牡蠣と岩牡蠣があります。
真牡蠣は最もポピュラーな種類で、広島、宮城、岡山が有名な漁場です。また韓国からの輸入も増えています。夏に産卵し、冬に最もおいしい時期を迎えます。
岩牡蠣は真牡蠣と対照的に夏に旬を迎え「夏牡蠣」とも呼ばれます。真牡蠣と同じように産卵は夏ですが、岩牡蠣の一番おいしい時期は4~8月です。
石川県能登半島の天然岩牡蠣は有名ですね。一番水揚げが多いのは、輪島です。ほかに高浜、柴垣、珠洲が産地として有名です。ほかに岩牡蠣の名産地は、長崎県五島列島、志摩半島的屋湾、島根県の隠岐などが有名な漁場です。
岩牡蠣は真牡蠣に比べると大きく、身も締まっています。天然ものは、外洋に接した漁場で、潜水して漁獲します。岩牡蠣の養殖も各地で取り組んでいます。
各々の成長するスピードの違いによって、旬が違ってきます。おかげで日本ではほぼ1年中牡蠣を食べることができるのがうれしいですね。
牡蠣が生育するためには、岩や他の貝殻など硬質な基盤に着生するのが普通です。例えば船の船底に多くの貝が着生しているのを見ることがあります。これらの貝殻は船の航行に抵抗となるため、取り除かれてしまいます。牡蠣もその代表的な生き物です。
産卵された牡蠣は海中を浮遊しながら、岩や海底の他の貝殻などに付着します。
牡蠣は着生するとそこからほとんど動かなくなります。そのため牡蠣の筋肉は退化し、貝殻の中身は殆ど内臓が占めた状態になるのです。牡蠣独特の風味は内臓の味であることが分かりました。
牡蠣にはグリコーゲンや必須アミノ酸を含むたんぱく質やカルシウム、亜鉛などミネラルをはじめ、たくさんの種類の栄養素が多量に含まれているため、「海のミルク」と呼ばれています。
能登の岩牡蠣は5月から漁が始まります。夏の産卵に向けて徐々に卵の白い部分が太り始め、7~8月上旬には身の入り方がピークを迎えます。
岩牡蠣は夏の風物詩として、刺身としていただいてください。真牡蠣にはないおいしさですよ。天然岩牡蠣は天候によって漁獲量が左右されます。時化の日などは獲れないこともあります。
お中元として庄内産の天然岩牡蠣を見つけました。近年は産地直送のお中元がたくさん取り揃えられています。秋田県庄内地方特産の天然岩牡蠣を、食通向けに贈り物としてお届けできるようです。能登の岩牡蠣もお中元で贈れるかもしれませんね。
お世話になった方で、食通の方に贈られてはいかがでしょうか。5年~6年ものの天然岩牡蠣、400g前後のものが3~5個入っているようです。時価のため価格と数量は相談なさってください。食通の方にはたまらない贈り物でしょうね。
「ノックして 頂戴牡蠣にも 準備要る」 中原道夫
「岩牡蠣吸ふ 鳥海山見ゆる 夏座敷」 上原瑞子
「品書に 夏の岩牡蠣 時価とあり」 芝尚子