泥鰌(どじょう)


子供のころ(昭和30年ころ)母がよく泥鰌を使って料理を作ってくれたものです。市場から生きたドジョウを買ってきて、酒の中で泳がせていたのを覚えています。ドジョウ鍋や柳川鍋として食べたり、泥鰌汁として食べた覚えがあります。とてもおいしかったと記憶しています。

季節の魚を調べていて、泥鰌が出てきたので懐かしく思ってみていると、初夏に旬を迎える魚であることを知りました。

幼いころ田舎で育った景色が浮かんできました。田んぼのあぜ道に沿って流れる小さな溝には沢蟹やドジョウの姿を見ることができました。田植えの終わった田んぼの中にも、たくさんの泥鰌を見ることができました。

思い起こすと無性に泥鰌が食べたくなりました。久しぶりに柳川鍋をつついてみたくなったのですが、今では簡単に手に入れることができないといわれました。スーパーなどには売っていないというのです。

一昔か二昔前にはデパートで買ってきた記憶があります。人気がないのでしょうか。それとも獲れなくなったのでしょうか。ドジョウは市場でも普通に手に入れることができていた庶民の魚です。

戦前から戦後にかけての年代の人の中には、ドジョウを懐かしむ方も多くいらっしゃると思うのですが・・・。特にあの柳川鍋はもっと頻繁に味わいたいものです。

ドジョウは初夏の産卵期が一番おいしいといわれます。栄養価も鰻に劣ることはありません。昔から「ウナギ一匹、ドジョウ一匹」と言われるほどドジョウは一匹でウナギ一匹に匹敵するほどの高い栄養価がある食材です。

島根県に「安来節」という民謡がありますが、歌に合わせて踊る「ドジョウすくい」がありますね。だから安来市にはドジョウが多くとれるのかというとそうでもないようです。
日本全国の平地や水田に生息しており、食用魚として養殖も行われているようです。

ドジョウは特に東京近辺で好まれるようで、産地も利根川水系が多いようです。東京ではドジョウを手に入れることができるのでしょうか。日本全国に生息しているなら、関西でも市場に出せばいいと思うのですが、人気がないのでしょうか。

調べてみると最近は国産の泥鰌は高級食材に格上げされ、庶民には高嶺の花になっているようです。

泥鰌鍋や柳川鍋、ドジョウのかば焼き、泥鰌汁。よだれが出そうな料理ばかりです。それが庶民の口に入らないとなると、さみしい限りです。

どうして日本で獲れなくなったのでしょう。農薬や化学肥料のせいでしょうか。大切な自然環境を破壊しない方法はないのでしょうか。できれば日本で養殖でもいいから、市場に出回ってほしいものです。

ネットで泥鰌のレシピを見て驚きました。泥鰌を使った料理の少なさです。それほど人気がなくなったのでしょうか。あるいは高価すぎるため、レシピの紹介もないのでしょうか。
全国の泥鰌ファンのみなさん!安心して泥鰌が食べられる日の来ることを、鍋を磨いて待ちましょうね。

新鮮な鮮魚が手軽に買える、サカマアプリ

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事