今日の魚 ホヤ


貝でもなければ、ナマコでもない。
そして魚でもなければ植物でもない不思議な形のホヤ、脊索動物という生物です。
成体は海底の岩礁に固着して植物の様な形状ですが、不思議なことに幼生は魚のように目を持ちオタマジャクシの様な形態で海中を泳ぎ回ります。
食用に使われるマボヤは東北以北に生息しており、主に東北沿岸で好んで食べられていたローカル水産物でした。
近年では首都圏方面に広く流通されていますが、一方で西日本方面ではホヤの流通は今も多くはありません。
現在では重要な水産資源として養殖も行われています。
ワタと呼ばれる肝臓や腸には独特の臭みがあり、水揚げされてから時間が経つほど臭みが強くなりますが、冷たい海水に漬けておくことで臭みの発生を遅くすることが出来ます。
首都圏に流通しているマボヤは臭みが強くなっているため、特に好き嫌いが分かれるところですが、このワタの臭みが好きな人は酒の肴として「日本酒の大切な友」であることは間違いありません。
刺し身、酢の物など生食、焼きボヤ、フライなど様々な料理方法があります。
ホヤのこのわたを塩辛にしたものを“莫久来(ばくらい)”といい、東北名産のひとつであります。
画像出典元:http://nsakanaya.exblog.jp/3699158/

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