日本では見向きもされていませんが…

前回に引き続き、またまたザリガニのお話しです。
水田や用水路、川などに広く生息しているザリガニ、子供の頃釣って遊んだことはありませんか?
日本に生息する殆どのザリガニが“アメリカザリガニ”というもので、真っ赤な殻が特徴的です。
そして驚くほどの雑食性で、人間が食べるものなら何でも食べてしまうほどです。
そんなアメリカザリガニですが、日本生態学会では「日本の侵入的外来種ワースト100」に指定されており、また特定外来生物に関する法律では要注意外来生物に指定されています。

日本に持ち込まれたのは1927年(昭和2年)のこと、ウシガエルの餌として神奈川県鎌倉市にあった「鎌倉食用蛙養殖場」に20匹移入されました。
その後養殖池から逃げ出した個体が発生したのですが、彼らにとって日本の風土は生活する上で快適だったらしく、あれよあれよという間に個体数は爆発的に増加します。
1960年代には九州まで生息域が広がり、北日本・北海道に元々生息している“ニホンザリガニ”の生息を脅かす程になっています。
そしてこのアメリカザリガニ、水田の畔に穴をあけ、稲を食い荒らす農業害虫という側面もありまして、日本ではあまり好まれていない存在なのです。

日本では駆除対象として“商品”としての価値がほとんどないアメリカザリガニですが、非常に熱い視線で欲しがっている国があるのです。
それは中国、非常に人気がある食材の一つで常に多くのアメリカザリガニが消費されています。
この数年ザリガニ専門料理店は増加を続けており、2015年から16年にかけて33%もの店が増えているのです。
また中国ではザリガニの養殖が非常に盛んで、2007年は26.5万でしたが2016年になると85.2万トンと3倍以上の生産量になっています。

中国でポピュラーなザリガニ料理は四川料理風の辛い味付けのもので、「麻辣小龍蝦(マーラー・シァオロンシア)」という料理は舌が痺れる刺激が特徴の中国山椒「花椒(ホアジァオ)」と、唐辛子の辛さが特徴的です。
アメリカザリガニは「小龍蝦」と呼ばれますが、この「小龍蝦」とはイセエビ「龍蝦」にちなんでいます。
アメリカザリガニは中国では小型のイセエビと呼ばれているので、高級食材のイメージが定着しています。
いちばん消費されるのは6~8月の夏真っ盛り、ビールのお供で大人気だそうです。

画像出典元:http://www.qpeek.com/article/CUvlEYL.html

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