何だかちびっ子ギャングみたいなタイトルになってしまいましたが、決して大袈裟なことではありません。 見た目はスマートで細い魚ですが、顎を開けると鋭い歯が並んでおり、少し触れただけで切れてしまう怪我を負うことがあります。 しかもこの歯、普段は寝かしていますが餌になる魚を捕食するときは歯がちょうつがい状に立ち上がるという機能...
サカマ
旬の魚、魚の調理方法から、漁港、産地のレポート、記事など、魚に関わる様々な情報を発信していきます。
サカマの記事一覧
「美しいものには棘がある」そんな諺が昔からありますね。 高校時代、クラスで一番美人と言われた○○ちゃんに告白したら、非常に激しくきつい言葉で断られて、しばらく落ち込んでしまった友人の顔が思い出しましたよ。 調子乗りだった彼が寡黙でニヒルになりモテ期が到来したことを目の当たりにして、私を始め他の友人たちは真似をしたのは言...
押し潰されたような独特の体形に、縦に黒の縞模様が鮮やかなイシダイ。 この縞模様が歌舞伎の「三番叟(さんばそう)」の烏帽子に似ていることから、市場関係者では縦縞がはっきりしている若魚を「サンバソウ」と呼んでいます。 余談ですが、三番叟とは豊作を願う祝言の舞のことで元々は能楽を構成する特殊な芸能の一つでしたが、歌舞伎や文楽...
ウナギは謎の多い魚と言われてきました。川や沼で誰でも簡単に獲れる魚で、貴重なタンパク源として昔から親しまれてきた魚です。 近年、日本では天然のウナギが少なくなってきました。養殖しようにもどこで産卵しているのかもわかりません。ウナギの稚魚は少量だが獲れることが分かっています。 ウナギの稚魚は「シラス」と呼ばれ、鹿児島や四...
奈良県郡山市は金魚の産地として大変有名ですね。福島県にも郡山市があります。こちらは全国でも有数の養殖鯉の産地です。 金魚はもっぱら観賞用としての価値が高く、食材としての対象にはならないようですが、鯉は立派に食材として利用されています。錦鯉などは観賞用として取引されています。 福島県郡山市では、養殖業者と連携して、鯉を郷...
近年、日本では魚が獲れなくなった。大変だ。如何すればいいのだろう。よその漁業国はどうなっているのか。こんなことで騒いでいるのは日本だけのようです。 今年(2015年)10月2日、帝国ホテルにおいて地球環境フォーラム「漁業国日本の凋落と魚の危機、海をどう守る?」という分科会が開催されました。 この分科会から分かったことは...
秋茄子は嫁には食わすなという諺がありますが、同じような言い回しで、「秋鯖は嫁には食わすな」という諺もあります。 封建的な家族制度の中で、言われてきた諺ですが、秋の茄子が大変おいしいので、もったいないから嫁には食べさせないという姑の嫁いびりに使われた諺です。 解釈の仕方で、茄子は体を冷やす作用があり、種も少ないので子宝に...
♪何の因果で貝殻漕ぎ習うた 色は黒うなる身は痩せる♪ ♪浜村沖から貝殻が招く 嬶よ飯炊け出にゃならぬ♪ ♪帆立貝なら帆立てて行こうよ 私ゃあなたの身を立てる♪ 鳥取県の民謡「貝殻節」の一節です。 鳥取県気高郡気高町浜村温泉地方では、何年かに一度帆立貝が大量に発生するといわれ、巨大な鋤簾(じょれん)を使って帆立を漁獲する...
秋が終りに近づいた頃、木々の葉は黄色に色づいて散ってゆきます。 日が傾くのが早くなり、すぐそばまで来ている冬の訪れに、もの悲しいセンチメンタルな想いに耽ってしまうことありますよねぇ。 しかし、もの想いばかりに耽ってばかりではなりません。 秋から冬にかけて旬の魚は実に多いのです。 このさかま図鑑を執筆している私も含めご覧...
日本にはマガキとイワガキが主流の貝で、各々生活環境が異なることと食べる旬が違うことを綴りました。 マガキは天然貝以外に、養殖貝も広く流通されています。 養殖は一年飼育したのち水揚げして販売されるので小ぶりな貝が多いですが、イワガキは天然貝の割合が多く、数年に渡り成長した貝はかなり大ぶりで殻長が20センチを超える個体もあ...