前回は幼生のふ化から摂餌開始までのお話でした。 稚貝が波板に付着している珪藻を食べる量は、成長するにつれて比例します。 飼育中は常に海水をかけ流しているので波板に珪藻が付きますが、次第に稚貝の摂餌量に追い付かなくなってきます。 少し気を抜いた瞬間に、波板に付着していた珪藻が全てなくなり、つんつるてんという事態が発生する...
アワビの記事一覧
9月になるといよいよトコブシの採卵を開始します。 トコブシの初期飼育で最も適した水温は25℃以上30℃未満であり、この水温帯は9月だからです。 卵巣・精巣がしっかり膨らんだ親貝を採卵で使用します。※1 オス、メスと別々の水槽に入れて遮光をして、紫外線で照射された海水をかけ流します。 紫外線照射海水がアワビ・トコブシの採...
さて、前回ではアワビ類の栽培漁業概要と堅い話になってしまいましたが、今回はどの様に現場で種苗生産が行われているかお話をしたいと思います。 私はトコブシ亜種のフクトコブシ生産を行っておりました。 東京八丈島を北端に九州、沖縄、台湾方面など温かい水温域に生息する種族です。 成貝の殻長が7センチのトコブシは、殻長が15センチ...
日本では水産業をはじめ、産業において重要なアワビ種を5つ定めています。 エゾ・クロ・メガイ・マダカアワビ、トコブシです。 昭和30年代、水産資源と人の関わりは「とる漁業」から「つくる漁業」へ方向転換します。 有限な水産資源を枯渇させないためにも、保護をして維持をする動きが強まりました。 その中で人工採卵をして、種苗を育...
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