カワハギ養殖 第一の試練

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だいぶ日向灘も寒くなってきて防寒着とカッパが朝夕は必須になってきました。

 

今回は本業の養殖業で新たな試練が出てきたので、ご紹介します。

9月終わりに入荷してきた人工孵化のカワハギですが今年の稚魚は去年のより大きく、元気にエサもいっぱい食べるので今年はいけるんじゃないかと期待してました。

ところがどっこい、そんなにうまくいく養殖業であるはずがない。笑

 

現在の様子

粘液胞子虫性やせ病

という病気が原因です。

頬がこけて全身が痩せてしまい骨が筋張ってるのが分かると思います。

ひどくなると死んでしまいます。

去年はビブリオ、滑走細菌、レンサ球菌症など他の病気で死ぬことが多かったのですが、こいつらにはまだ酷くなったら水産用の抗生物質で抑えるという対処法がありました。

でも、やせ病に効く薬はなく、あまり有効な対処法がありません。

 

今年は死んだ魚を細菌検査で調べてもらっても細菌は発見されず、やせ病と診断されました。

 

死魚や弱った魚を共食いして感染することを防ぐために、毎日生簀の底にたまった死魚を取ったり、ランクの高い栄養剤を与えて少しでも軽減させようとしているのですが根本的な対処にはなりません。

 

養殖業の場合、自分の思ったようになるということがほぼない業種なのでどこで採算面と労力などの折り合いをつけるかということを常に考えながら最後の出荷まで持っていくことが求められます。

新しい魚種の場合は特にです。

 

今回は、周りのカワハギを飼っている養殖業者さんもやせ病が多発していて対処に困っているそうです。

その中で1つだけ、有効な対策になりそうな話が薬屋さんから聴けました。

ウェルナチュラルという栄養機能性飼料がトラフグのやせ病に効果が出たという報告があったそうです。

カワハギは同じフグ目なので、来週から私のところでも使ってみて効果を検証しようと思っています。

 

養殖業は外的要因に成否が左右されることが多く、課題も多いですが、こうやって可能性のあることを試していき、自分たちで道を開いていくことでしか前に進めないと思います。

今では当たり前に食べられている養殖魚も自分の父親と同じ世代の方々が必死に試行錯誤して乗り越えてきた成果だと思います。

 

魚が死ぬとか病気の話とかは、食べ物なのであまりほんとのリアルを伝えることにいつも葛藤があるのですが、これから先の養殖業、漁業はリアルを伝えず臭いものに蓋をしてしまっては未来が開けないと思っています。

 

これからも継続的にカワハギちゃんがどうなったか書いていきます。

全滅とかになってたらどうしょ。。。

しかし、やることやったらあとは神頼み

なのも養殖業のリアルなんですよね。笑

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この記事の著者

結城嘉朗

宮崎県延岡市の沖合に浮かぶ離島、島浦島で水産養殖業をしています。 育てているのは、カンパチ、シマアジ、マダイ、イサキ、メジナ、カワハギなど。 福岡のスーパーの水産部で5年働き、実家の結城水産を継ぐために島に戻りました。 島の若手漁師数名で島おこしも頑張ってます。

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