水圧のおはなし その1

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以前、勤めていた栽培漁業機関で“潜水”の仕事がありました。
高さ3メートル、直径6メートルほどの円形、コンクリート製水槽が10面ある棟があり、ここでは卵から孵って餌を自分で食べ始めるようになった仔魚の初期飼育を行います。
施設沖合にある取水口から取り込まれた海水を砂利やアンスラサイトでろ過をして、種苗生産水槽にポンプで送り込みます。
ポンプで送り込まれた海水は水槽の上にあるシャワー状の注水口から注水されますが、飼育水はかけ流し状になっており水槽底から常時排水されます。

飼育を続けていると、水槽底排水溝に設置してあるストレーナーに餌の食べ残しや死骸が溜まり目詰まりを起こしやすくなるのです。
また、種苗が大きくなるにしたがって餌の量が増えるので、注水量と排水量も比例して増えてゆくのですが、そのときストレーナーの目合いを大きくしなければなりません。

そのため、定期的に水槽に潜ってストレーナーの交換と底に溜まったゴミ取りを行います。
ドライスーツを着てエアタンクを背負い、手には掃除用のバキュームと交換するストレーナーを抱えて水槽に潜るのですが、この作業はとても好きでしてね…。
水槽飼育水は種苗の仔魚だけではなく、餌となる動物プランクトンのシオミズツボワムシ、さらにワムシの餌となる植物プランクトンのナンノクロロプシスが存在しており、水槽内は緑一色でとても視界が悪いのです。
しかし陸上生物の祖先は海の生物だったためか、水槽底で作業するときはとても落ち着いた気分で、ときには鼻歌を歌いながら仕事をしていました。
その日の作業スケジュールで潜水作業があるときはいつも志願していたので、いつしか「半魚人」と呼ばれるようになりました。

さて潜水をするときに気をつけなければならないことがあります。
たかだか水槽の深さが3メートルであっても水圧がかかり、急激に潜水または浮上するとヒトの体が気圧の変化についてゆけなくなり非常に気分が悪くなってしまいます。
これを「潜水病」といい、気圧の変化で体内のガスが気泡になって血管を閉塞してしまうのです。
息を吐きながらゆっくりと水中内を上昇・下降をすると潜水病にはならずに、楽しい水中ライフを謳歌できるのです。
画像出典元:https://blogs.yahoo.co.jp/okinawablog/42973795.html

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この記事の著者

サカマ

旬の魚、魚の調理方法から、漁港、産地のレポート、記事など、魚に関わる様々な情報を発信していきます。

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