魚のフェロモン その1

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魚の生殖行動ですが、多数のオスとメスが群れを成して岸へ押し寄せて放卵と放精を同時に行うものもあれば、オスとメスがつがいになって産卵するものもあります。
オスとメスがつがいになるときは性フェロモンの介在があるのです。

アメリカではイソギンポによる性フェロモンの実証実験をした結果、面白いことが判ったのです。
カリフォルニア沿岸に生息するイソギンポで実験をしたのですが、潮だまりができる岩礁地帯に生息する種(便宜的にシオダマリギンポ)、比較的深い岩の裂け目などに生息する種(こちらはアナギンポ)の2系統の生息域で生活するイソギンポを対象にしています。

いずれも春から夏にかけてオスは巣を作り、メスが近づくと頭をもたげて体を震わせて求愛行動を行い、晴れてカップルになった魚たちはつがいになって産卵活動を行います。
そして産卵活動が終るとメスは巣を去りますが、オスは残って卵の保護を続けます。
そしてシオダマリギンポ、アナギンポはそれぞれ自分の生息環境と同じ魚を選択し、違う環境の魚が交わることはありません。
このように正確な識別ができるのは性フェロモンにあるといわれています。

さてこれから実験です。
水槽内にシオダマリギンポのオスとメス、アナギンポのオスとメスを一緒にして飼育します。
同じ生息環境同士の魚が接近したとき、オス同士の場合は互いに攻撃姿勢を示し、オスとメスが出会ったときオスはメスに対して求愛活動を行います。
そして違う環境で生活する魚が接近したとき、オス同士でもまたオスとメスの場合であっても見向きすることがなかったのです。
ただし、個体によっては誤って違う系統のメスに求愛の素振りをみせることがありましたが、求愛行動が成功することはありませんでした。

この実験結果から“シオダマリギンポ”も“アナギンポ”も正確に配偶者を見つけることができることが判りましたが、両種は同じ“イソギンポ”同じルーツなのです。
お互いの判別方法は視覚によるものではなさそうです。
更にこのことについて実験を進めてゆく過程でとても興味深いことが判りました。
画像出典元:http://www.mune.co.jp/nekton/file/isoginpo.htm

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この記事の著者

サカマ

旬の魚、魚の調理方法から、漁港、産地のレポート、記事など、魚に関わる様々な情報を発信していきます。

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