マダイあれこれ その2

日本に於いて古くからマダイは「魚の王様」という位置づけにあり、鯛という名前を語呂合わせにした「目出度い(めでタイ)」という言葉はあるほどです。
七福神のえびす様の腕の中には赤い鯛が乗っかっており、今も昔も日本では最も縁起がいい魚です。

バブル経済の昭和時代後期、正月をはじめ慶事があるシーズンになるとマダイの需要は非常に高まるため日本中のどこの港でも品薄の状態になるものでした。
水揚げされた魚の浜値はキロ3,000円以上当たり前、ときには5,000円台にも達することも珍しくはありませんでした。
しかし、バブル経済が終わった平成時代になると様子が変わります。
人々のライフスタイルは必要なもの以外は買わないという合理化された思考が当然となり、お祝い事もわざわざ高いマダイを買わずとも代わりになる魚があればそれでいいという様相になりました。
そのため現在では昭和時代に比べてマダイの慶事に対する役割は減ってきていますが、それでも美しい赤色の色合いや、ぴんとヒレが張っていて堂々とした形の様相や大きさ、「めでたい」という語呂合わせから結婚式や出産祝い、正月など今でも様々な慶び事では欠かせない存在です。

さてマダイと日本人の付き合いはとても長いもので、5千年前の縄文遺跡からマダイの骨が発掘おり、その時代には既に食用の魚として扱われていたことが分かっています。
神話では「赤女(アカメ)」と呼ばれ、奈良時代の日本最古の歴史書「古事記」では鯛についての話が綴られています。
そして古事記と同じく奈良時代の「風土記」、「日本書紀」、「万葉集」などでは既に“鯛”という言葉が確認できます。
“鯛”とは見た目が平たいことから「平魚(タイ)」と名付けられ、「平ら」が語源となっています。
また他の魚よりも形状の調和が取れているとのことで「魚偏に周」という漢字があてがわれています。

平安時代の法令集「延喜式」では、朝廷の御料で用いられる鯛は和泉、伊勢、三河から供されるものとされていました。
そのうち、朝廷から近い和泉からは鮮魚のまま、伊勢、三河からは干物や塩漬けなど加工されていたといいます。
朝廷に供された鯛は宗廊の祭に使われており、神に仕える特別な存在の魚であったことを歴史の書で知ることができます。
そして今も神道では鯛は神に仕える魚で、春秋の大祭や霊祭では必ず鯛がお供えされています。
画像出典元:http://kzfishing.com/Cooking/Cooking-1.htm

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