“氷見のぶり”が旨い秘訣はここにあり

全国サカマ読者の皆さまこんにちは。
私事でございますが、この記事は執筆開始から200記事目になりました。
日頃より誠にありがとうございます。
今後も様々な視点から魚や漁業について綴ってゆきたい次第でございます。
何卒、隅から隅までずずずーいとご贔屓の程を御奉り願います。

さて富山県の氷見漁港で水揚げされる寒ブリブランドの“氷見ブリ”が大変美味しいことを、当サイトにて幾度かご紹介いたしました。
何故この“氷見ブリ”が格別に美味しいのか、今日はそれを探ってゆきたいと思います。

日本海方面に生息しているブリは夏になると、日本海沖合を北上して北海道沖合を目指します。
夏の間に北海道の海で栄養を付けたブリの群れは秋が深まる頃になると、産卵のために日本海を南下しますが、このときのコースは沖合を通過する夏とは異なり、沿岸寄りに泳いでいます。
ブリの回遊群が出っ張っている能登半島にぶつかるため、その手前の氷見市沿岸では大量の“寒ブリ”が獲れるのです。
また、氷見沖合は大陸棚になっており様々な魚が集まりやすいという“地の利”があります。
この地の利を活かして氷見では沖合数キロメートル、水深50メートルの海域に巨大な定置網を設置してブリの大群を待ち構えます。

氷見の定置網の歴史は大変古く、400年前以上も前から行われている漁法です。
網は200メートル以上の長さで、長いものでは1キロメートルにも達します。
魚を追い回す漁法とは異なり、ブリが障害物を察知すると避けて沖に進むという習性を活かした漁法なのです。
そのため魚に掛かるストレスやそれに伴う乳酸の分泌が少ないので、身の味わいが落ちにくいという利点があります。

そして氷見の定置網は魚の資源維持・保護の面からみても「自然に優しい漁法」ということが挙げられます。
定置網は大きな入り口がある囲い網、奥に行くに狭まってゆく身網・落とし網という構成で成り立っていますが、網の間口が広いので魚の7割は網から出て行ってしまいます。
網に掛かった魚を一網打尽するのではなく、逃げた魚が再び子孫を生んで資源が増加することを永続的に繋げたいという先人の思想が根付いているのです。

そして定置網に掛かったブリは沖合で活け締めをして大量の氷で覆った状態にして、直ちに漁港に水揚げして競りにかけるため、魚の鮮度がとてもいいのです。

2月に入り寒さも一段と強くなり、寒ブリ一層が美味しくなりました。
今度の週末は皆さん思い思いの寒ブリ料理を楽しんでは如何でしょうか。

画像出典元:http://guwaguwa58.exblog.jp/15325763/

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