高知の漁師めし~鰹のたたき~
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高知といえばまず一番に頭に浮かぶのは「鰹」でしょう。カツオは春と秋の2度にわたって旬を迎える魚です。中でも春から初夏にかけて獲れる初鰹は、季節を感じさせる逸品ですね。「目には青葉、山ホトトギス、初がつお」江戸時代の俳人、山口素堂も詠んでいます。

鰹料理といえば代表格は「鰹のたたき」でしょう。料理の起源は土佐漁師のまかない料理、つまり漁師めしとして発達しました。別名「土佐づくり」とも呼ばれています。赤身の鰹は刺身として料理されることが多いのですが、「カツオの漬け丼」や、カツオとねぎを混ぜて叩いたものに、みそを混ぜて「なめろう」として食べるのも大変おいしい食べ方ですね。

高知の鰹は表面を藁で焼くことで、独特の香りを封じ込めます。中はきれいな赤身が見た目で食欲をそそります。ニンニクやタマネギをたっぷり添えて、酢を利かせた醤油だれを振りかけて、包丁の平でたたいてタレをなじませて食べます。

たたきといっても手で軽くタレとなじませる方法と、焼いてからタレをかけて、木の棒を使って「たたく」方法と、たたく行為はしない「たたき」があるようです。
地元高知で頂いたのですが、皿に盛られたカツオのたたきを見て驚きました。

見るからにうまそうな料理なのですが、箸をつけるのをためらいました。それは上に載っているにんにくの多さだったのです。翌日に大事な商談を控えているだけに、ニンニクは控えなければいけないと自分勝手に思い込んでいたのです。

高知の友人は「高地ではにんにくのにおいを気にするような人はいない。皆食べているんだから何も気にすることはない。失礼にあたることなどありえないんだから」という言葉に背を押され、最高の皿鉢料理を頂いた記憶があります。
鰹は回遊魚です。群れを成して休むことなく高速で泳ぎ回る魚です。そのために大量の酸素が必要となり、効率よく酸素を使えるようにヘモグロビン(血液色素タンパク質)と、ミオグロビン(筋肉色素タンパク質)が多くなります。

鰹は海面付近を泳ぎ回って餌を捕食します。運動量が多いから脂質が豊富に蓄えられます。この脂質が優良な脂質であるEPA・DHAなのです。ご存知かと思いますが、DHAは脳の発育を促し、血液をサラサラにする栄養素です。EPAは悪玉コレステロールを退治し、血液をサラサラにしてくれます。赤身魚のたんぱく質は、筋肉などを作る栄養素です。

また、魚は部位によって含まれる栄養素が違ってきます。ビタミンやミネラルも豊富に含んでおり、人間にとって必要とされる栄養分をいっぱい含んでいるのがお魚なんです。そして何よりいろんな料理によって飽きることなく食卓を盛り上げてくれるのが「さ・か・な」です。明日は魚料理にしませんか?

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