三浦半島にいる黄金色に輝くサバを求めて…松輪サバ


「川口浩探検隊」みたいなタイトルになってしまいました。
しかし、話中に原住民発見やら地球の割れ目やら、幻のナントカなど大げさなものは一切出てまいりませんので、悪しからず。
その前に川口浩探検隊を知っている人はいるのでしょうか…。

神奈川県三浦市、ここは日本の水産産業で重要な遠洋マグロ漁船基地の三崎港があります。
三崎港周辺には寿司をはじめ様々なマグロ料理を出す店が軒を連ね、休日になると多くの観光客でごった返します。
その三崎港から東に5kmほど離れたところに松輪地区という集落があります。
キャベツ畑や大根畑が辺り一面に広がるのどかな街で、キャベツ栽培は海洋深層水を利用したみずみずしい春キャベツをブランド化して首都圏に流通しています。

この松輪の集落の一角に間口漁港があり20人のみうら漁協組合員がサバ漁を営んでいます。
小さな漁港で水揚げされているサバは「松輪サバ」と呼んでいますが、この松輪サバは国内で有名なブランドサバ「関サバ」と双頭する特別な存在です。
殆ど市場には出回らず、出回ったとしても普通のマサバの10倍以上の値が付くという、まさに「幻のサバ」なのです。

松輪サバとは、三浦半島の入り組んだ松輪地区の湾周辺を回遊するマサバのことをいいます。
普通のマサバと明らかに違う点は、松輪サバは腹がとっぷり丸く出っ張っており、たっぷり付いている脂のため身の肉はほんのり桜色、そして背中から尾ヒレにかけて金色に輝いています。
7月以降脂が乗って旨い季節になり、漁獲量が非常に少なく市場関係者では「黄金のサバ」と呼んでおり、築地に出荷されたときは高級料亭などが買い付けます。

また、松輪サバの旨さの秘訣は鮮度が非常にいいことが挙げられます。
漁師がサバを釣り上げるときも細かいことまでに気を使います。
魚に触れると傷が付き、人の体温で魚の鮮度に影響を与えてしまうため、釣り針を外すときは専用の道具を使っています。
家族経営が多い漁業企業体が中心の「松輪サバ漁」は若い漁師が多く、鮮度を保ったまま水揚げする漁法を親から子に引き継がれているのです。
松輪サバ以外に、この間口漁港ではキンメダイの水揚げ量が全国10位以内にマークしていることも特徴に挙げられます。

築地に出荷されて料亭に買い付けされる魚以外は殆ど地元消費をされており、鮮魚店やスーパーには出回ることがありません。
食べる機会になかなか巡り合えない「幻の黄金のサバ」ですが、間口漁港近くに週末のみ営業している「輪中」という割烹があります。
オーナーの宮尾武さんは、平日は長野で割烹を営んでいます。
宮尾さんは松輪サバに惚れ込み、週末だけ松輪の店を開けているのです。
松輪サバ尽くしのお料理は非常に美味しく幸せな気分になります。

鮮度が高く、脂の乗りが絶品でマグロの上トロのような刺身、しめサバ、炙りサバ、みそ煮が存分に堪能できます。
そして塩焼き、ふっくらした身の旨さは勿論、皮目の旨さ、脂の甘み…松輪サバの大変贅沢な味わいが楽しめます。

お店は完全予約制でランチタイムとディナータイムのみ、ホームページからも予約ができます。
私も近いうちにお伺いしたいと思います。

輪中:ホームページ

画像出典元:http://blogs.yahoo.co.jp/matsuwa_ena/

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